「家族旅行に行きたいけれど、ワンちゃんをどうする?」
「親戚? ペットシッター? どこに預ければいい?」
家を留守にするとき、愛犬を預かってくれる人を探すのは一苦労です。かといって一緒に連れていけませんし、長期間ひとりにさせておくわけにもいきません。
そんなときに便利なのがペットホテルの利用です。
旅行や冠婚葬祭で家を空けるとき、愛犬をどうするか悩んでしまいます。
この記事ではペットホテルがどんな施設か、その種類、選ぶポイントについてまとめました。
目次
ペットホテルとは
ペットホテルとは、その名の通りペットのための宿泊施設のことです。宿泊だけでなく、一時的に預かってくれ、飼い主に代わってペットの世話をしてくれます。
旅行や急な出張などで家を空けなければいけない、代わりに面倒を見てくれる人が見つからないという場合に利用できるのが、ペットホテルです。利用できるペットは基本的には犬猫ですが、ウサギやフェレットなどの小動物を預かってくれるホテルもあります。
ペットホテルは、環境省から「第一種動物取扱業者」の認可を受けた事業者が、都道府県知事や政令市長に登録をして運営することになっています。「保管を目的に顧客の動物を預かる業」という内容になっています。
参考:環境省「第一種動物取扱業者の規制」
2006年は10,631件でしたが、年々増え、2020年は28,686件と14年で倍以上が登録されています。
参考:環境省「動物取扱業者登録・届出状況」
ただ、登録義務があっても部屋の大きさやサービスには決まりがないので、様々です。たとえば、ペットサロンや動物病院がペットホテルを兼ねていたり、ドッグトレーナーが運営していたりとホテルの種類が多いのも特徴です。
ペットホテルの種類
ペットホテルは、以下のような種類に分けることができます。
・動物病院併設型のペットホテル
動物病院が運営しているペットホテルなら、万が一体調不良の場合は診察・診療を行ってもらえます。事前に健康診断や往診歴の調査をしてくれるところもあります。
病院併設ですから清潔ですし、普段診てもらっている獣医師さんでなら、安心して預けられますし、持病を持つペットを預けやすいこともメリットです。ただ、たいていの場合、ケージ預かりになることが多いのがデメリットです。
・ペットショップ併設型のペットホテル
ペット販売をしているペットショップが、販売の延長でペットホテルを併設している店舗もあります。最近ではショッピングモール内や近くに店舗を構えていると、買い物中にペットを預けることもできるため、便利に使えます。ただ、一時預かりでも事前予約が必要なところが多いので、必ず確認しましょう。
サービス内容として、トリミングや爪切りなどのサービスを設けているところもあります。
・ペットサロン併設型のペットホテル
ペットサロン(美容室)が運営するペットホテルは、ケージの大きさが選べたり、ケージフリーで自由に過ごせるプランがあるなどいろいろなプランが用意されています。散歩は別料金の場合があるので確認しておきましょう。
ただ、体調不良のときは預けられない事が多いのがデメリットです。
・しつけ訓練所併設型のペットホテル
ドッグトレーナーが運営する訓練所併設型のペットホテルは、しつけ教室のほかドッグランがあるところもあります。日中の預かりがメインですが、お泊りプランがあるところもあります。トレーニングやしつけの相談もすることができるのがメリットです。
基本的にはケージ預かりになりますが、中にはケージフリーのところもあります。犬同士の相性を見て遊ばせたり、散歩に行ったりする時間も設けられているところもあります。
ペットホテルのサービス内容は?
ペットホテルは数多くあります。プランがあるところもありますので、ペットホテルによってサービス内容はさまざまです。ペットホテルですから、基本はペットの預かりです。大まかに以下の内容ができますが、必ず確認するようにしましょう。
・宿泊サービス
1泊から月単位の宿泊までができます。店舗によって違いはありますが、長期預ける場合には割引サービスが受けられることが多いです。
・一時預かりサービス
飼い主さんの希望に合わせて数時間から日帰り程度の一時的に預かることです。
・散歩代行サービス
1日に2回程度散歩に行ってくれます。ペットホテルによってはドッグランが併設されていて、そこで遊ばせてくれるところもあります。
・食事の世話サービス
食事や水の世話をしてくれます。食事は飼い主さんよる持ち込み、もしくはペットホテルで使っているドッグフードですが、中には手づくり食を出してくれるペットホテルもあります。
・トリミングサービス
ドッグサロンが併設されているペットホテルなら、グルーミングやトリミングのサービスを受けることもできます。
ペットホテルの料金相場は?
ペットホテルが利用できるのは犬、猫以外下記のようにさまざまです。
・小動物
ウサギ、フェレット、チンチラ、モルモット、ハムスター、デグー、シマリスなど
・鳥類
インコ、文鳥など
ペットホテルに犬を預ける場合、1頭いくらではなく、犬の大きさによって違ってきます。
小型犬:3,000円前後
中型犬:4,000円前後
大型犬:5,000円前後
また、エリア、設備、サービス、宿泊する部屋の大きさにより値段が異なるので、必ず確かめるようにしましょう。宿泊日数が長い、預ける頭数が多い場合は、割引が適用されることもあります。
ペットホテルにもよりますが、連泊だとお散歩サービスが付くところもあります。ただ、もともとの料金に含まれていたり、別途オプションということもあるのでホームページや電話で事前の確認が必要です。
ペットホテルのメリットとデメリット
出かける時に便利なペットホテルですが、デメリットもあります。愛犬を預ける場合には、メリットだけでなくデメリットもしっかりと把握しておくことが大切です。
・ペットホテルのメリット
旅行、冠婚葬祭などどうしても、愛犬をおいて出かけなくてはならないことがあります。そんなとき、自分や家族に代わって愛犬の世話をしてもらえるペットホテルはたいへん便利です。
ペットシッターを頼む場合、カギを預けなくてはならないので、他人が家に入るのを嫌がる人も多いと思います。親戚や友人に預けるとなるとどうしても気を遣ってしまうものです。
さらに、いつの間にかいなくなっていた、具合が悪いのにわからなかったなど、何らかのトラブルが発生した場合、取り返しの付かないことになることもあります。
その点、ペットホテルに預ければ、普段からペットを扱う専門のスタッフが対応してくれるので安心できます。さらに、様子を動画配信してくれるサービスを行っているところもあり、子が気になる飼い主さんとしては嬉しいものです。
さらに動物病院併設型のペットホテルなら、具合が悪くなったときにはすぐに診てもらえます。ペットサロン併設型のペットホテルなら、きれいにしてもらえます。
・ペットホテルのデメリット
愛犬はいつもと場所や環境が変わってしまうため、ストレスで体調を悪くするワンちゃんもいます。場合によってはご飯を食べなくなった、元気がなくなったというワンちゃんもいますので、弱い性格や病弱体質なら考えなくてはいけないでしょう。狭いケージに入れられている時間が多く、他のペットもいるわけですから病気などに感染する危険性もあります。
さらにペットホテルに預ければ、当然お金もかかります。
ペットホテルが便利な場面
ペットホテルを利用する場面は、様々なシチュエーションが考えられます。例えば、以下のような場合に便利です。
1.旅行や出張などで長期間家を空ける場合
犬を連れて旅行や出張に行くことができない場合、ペットホテルを利用することで、犬の世話をしてくれる場所を確保することができます。
2.犬のトレーニングやトリミングなどを行いたい場合
ペットホテルには、犬のトレーニングやトリミングを行うための施設があります。自宅では行いにくいケアを行うことができるため、便利です。
3.犬の社交性やコミュニケーション能力を向上させたい場合
ペットホテルでは、ドッグランやトレーニングなどを通じて、犬の社交性やコミュニケーション能力を向上させることができます。犬が社交的になりたい、ストレス解消をしたい場合に便利です。
4.犬の日常生活に変化を与えたい場合
ペットホテルでは、犬の日常生活に変化を与えることができます。新しい環境で過ごすことで、犬の興味を引き、ストレスを解消することができます。
犬のペットホテルの選び方、チェックポイント
ペットホテルを利用するときには、チェックポイントがあります。下記のポイントをおさえておくことで、ペットを安心して預けられるようになります。
・見学に行く
大切なペットを預けるためにも、ホームページの口コミだけでなく、実際に行って自分の目で確認するようにしてください。直接行けば、スタッフの対応もわかりますから、信頼できるかどうかがわかります。
・宿泊施設のルール確認
ペットホテルにもさまざまな事情があり、独自ルールがあります。あとから後悔しないためにも、事前にルールを確認しておきましょう。
・清潔さ
ペットホテルはいろいろな動物が利用します。「臭い」「ケージやトイレは清潔か」など、できれば自分の目で確認できるといいでしょう。
・オプションサービス
ペットホテルによってさまざまなオプションが用意されています。ワンちゃんが少しでも快適に過ごせるようにどんなオプションがあるか、追加できるならどれがいいかなど検討するのも手です。
・ケージの有無
「ケージなのか」「フリーなのか」を確認しましょう。ケージフリーがあるところもあれば、ケージでもフリーの時間があるなど施設によってさまざまです。
・散歩について
犬には散歩が必要です。散歩をしてくれるのかどうか、オプションなのか、してもらえるならどのくらいの時間をしてもらえるのか、散歩について考えられることを聞いておきましょう。
・病気になったときの対応
ペットホテルは環境が違っているため、食欲不振、下痢を発症したり、体調を崩してしまうこともあります。不良になることも考えられます。動物病院併設なら治療をしてもらえますが、そのほかのペットホテルの場合はどのような対応になるのかを確認しておきましょう。
・ごはんやベッドなどの持ち込み
ストレスを最低限に抑えるためにも、自宅で食べているペットフードや使っているタオル、トイレ用品があるとワンちゃんも安心できます。ごはんやベッドなどを持ち込むことができるかどうか聞いてみましょう。
・夜間のスタッフの確認
夜間は「無人になるのか」「スタッフが常駐するのか」を聞いておきましょう。
・動物取扱業の登録確認
「動物取扱業」としての登録があるか、必ず確認をしましょう。ただ、登録を行っていてもしていても、中には適当な経営をしているところもあります。もし、登録をせずに営業していれば法律違反です。大事な愛犬を預けるのですから、しっかりしたホテルを選ぶようにしましょう。
施設の設備やサービスの確認
犬のペットホテルを選ぶ際には、施設の設備やサービスの充実度を確認しましょう。
例えば、ドッグラン、トリミングサロン、トレーニング、マッサージなどがあるかどうかを確認しましょう。また、食事やおやつの提供、獣医師による健康管理も重要です。施設の清潔さや快適さも確認しましょう。
スタッフの対応や訓練の質の確認
犬のペットホテルを選ぶ際には、スタッフの対応や訓練の質も重要です。スタッフの対応が親切で、犬のケアに熟練しているかどうかを確認しましょう。
また、犬に対する訓練やトレーニングを行っているかどうかも確認しましょう。犬の社交性やコミュニケーション能力が向上するようなプログラムがあるかどうかも重要なポイントです。
料金体系の比較とコストパフォーマンスの考慮
犬のペットホテルを選ぶ際には、料金体系の比較とコストパフォーマンスの考慮も大切です。料金が高額だからといって必ずしも質が高いとは限らないため、複数のペットホテルの料金やサービスを比較して、自分に合ったペットホテルを選ぶようにしましょう。
また、料金に見合ったサービスや施設の充実度も考慮して選ぶことが大切です。安いところを選ぶと、施設の充実度が低く、スタッフの質が低い可能性があるため、十分に注意しましょう。
コストパフォーマンスを考慮して、自分にとって最適なペットホテルを選ぶようにしましょう。
犬のペットホテル利用前の準備
犬をペットホテルに預ける前には、以下の3点を準備しておく必要があります。
・ワクチン接種や健康診断の確認
・犬の持ち物の準備
・犬の性格や食事、運動状況の伝え方
準備をしっかりと行って、愛犬の健康やストレスを軽減しましょう。
ワクチン接種や健康診断の確認
犬をペットホテルに預ける前には、ワクチン接種や健康診断の確認を行いましょう。
ペットホテルによっては、犬のワクチン接種や健康診断が必要な場合があります。また、犬の健康状態をチェックして、ペットホテルに預ける際のリスクを減らしましょう。
健康状態が悪い場合は、獣医師の診察を受け、治療を行ってからペットホテルに預けるようにしましょう。
犬の持ち物の準備
犬をペットホテルに預ける前には、犬の持ち物の準備も必要です。
例えば、犬のフード、おやつ、お気に入りのおもちゃ、ベッドやブランケット、トイレシート、首輪やリードなどが必要です。
ペットホテルによっては、持ち物の持ち込みを制限する場合があるので、事前に確認しましょう。
犬の性格や食事、運動状況の伝え方
犬をペットホテルに預ける前に、愛犬の性格や食事、運動状況をしっかり伝えることも重要です。
性格や特徴をできるだけ詳しく伝えることで、スタッフが犬のケアを行いやすくなります。また、犬の食事や運動状況についても、伝えておくことで、ペットホテルが犬に適切なケアを提供できます。犬にとってストレスの少ない環境で過ごせるように、ワンちゃんの好みや癖、嗜好性なども伝えると良いでしょう。
また、犬の健康状態に関する情報も伝えましょう。
例えば、持病やアレルギーがある場合は、獣医師の指示に従って薬を投与する必要があるため、事前にペットホテルに伝えておきましょう。犬がストレスを感じず、安心して過ごせるように、しっかりと伝えることが大切です。
まとめ
ペットホテルを利用するときは
・ペットホテルはペットの宿泊施設のこと
・ペットホテルには種類があること
・サービス内容は施設により違う
ということを覚えておきましょう。
大切なペットを預ける以上、必ず気になったことはすべて確認することが大切です。愛犬にストレスがかからないようなサービスが充実しているので、ぜひ利用してください。
老犬について知る
コラムカテゴリー トイレ 食事 散歩 睡眠・夜泣き 病気・治療 老衰 その他 病気の検索 目 耳 鼻 口・歯 心臓 分泌器官 生殖器官人気の記事
- No.1
夜泣きする老犬に睡眠薬を飲ませても大丈夫?種類や副作用も解説!
- No.2
老犬をうんちまみれにさせない!対策や注意点をケース別に解説
- No.3
老犬がイボだらけの原因は?よく見るピンクのイボは良性?
- No.4
老犬が悲鳴のような鳴き声をあげる理由は?3つの対処法も解説!
- No.5
犬の老衰: 死の兆候や終末期の症状、最期について解説
- No.6
犬の後ろ足に力が入らない原因は?その予防や対処方法は?
- No.7
老犬の必要カロリーは?計算方法とからだの変化も解説!
- No.8
老犬のお漏らしの原因は?ケース別の対策と3つの注意点を解説!
- No.9
老犬も狂犬病ワクチンが必要?種類や免除、副作用も解説!
- No.10
愛犬がご飯を食べないのに水は飲む!その原因とは?
施設・サービスを探す
老犬ホーム ペットシッター 動物病院 グッズ ペット保険