老犬で踏ん張れない!寝たきりになる前に心地よい部屋作りを心がける

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いぬどし
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「愛犬が後ろ足を引きずるようになった」

「よろけてしまうことが多くなった」

「トイレで踏ん張れなくなってきた」

 

そんな様子が見られるようになると、年を感じると共に、これからどうすればいいのかと心配になるものです。そして「介護」という言葉が頭をよぎります。

 

人間も同じですが、犬も年を取ると足が弱ってきてふらつくことが多くなってきます。人も犬も「足から弱ってくる」のです。

 

さらに、踏ん張れなくなると排泄にも支障をきたしてくるため、早めの対処が必要です。

ここからは、老犬で踏ん張れなくなったときの対処法、予防法などについて詳しく解説していきます。

 

犬の老化現象とは

人間も年を取るとさまざまな症状が現れますが、犬も同じように老化現象が見られるようになります。いつも同じ時を過ごしているはずなのに、「犬は人間の4倍の速さで年を取る」といわれています。では、どんな老化のサインが現れるのでしょうか。

 

・歩くときにふらつくことが多くなった

犬も足から弱ってきます。特に後ろ足の筋肉は歩いたり走ったりする重要な筋肉ですから、ここが弱るとふらつくようになります。

 

・うまく排便できないことがある

踏ん張る力が弱くなると排便の姿勢をキープできずに、そのまま便の上に座ってしまったり、力めずにうまく排便をできなくなってしまうことがあります。便秘になってしまうこともあるので意が必要です。

 

・よく寝ている

活動量が減ると、寝る時間が増えてきます。

 

・遊びに興味がなくなった

好きだった遊びも喜ばなくなり、遊びに誘っても、乗り気ではありません。仲が良かった近所の犬が来ても、喜ばなくなります。

 

・歩行ペースが遅くなった

散歩のペースが以前より遅くなってきた、階段の上り下りをイヤがるようになったのも老化から来るものです。

 

・食欲が落ちてきた

活動量が減った分、食事量も減ってきます。食欲が落ちてきて、食べたり食べなかったりと食べムラも見られるようになります。

 

・口臭がきつくなった

唾液の分泌の減少により、口臭がきつくなってきます。歯周病や口内炎などが原因の場合もあります。

 

老犬が踏ん張れなくなる原因

まず、老犬が後ろ足に力が入らず、踏ん張れなくなってしまった原因について見ていきましょう。

 

・加齢

・ケガ

・関節痛

 

ここからはひとつずつ詳しく見ていきましょう。

 

加齢

歳をとって筋肉が落ちてくると、しっかりと踏ん張れなくなります。筋力の低下によるものですから、筋肉トレーニングを行うようにするしかありません。

 

ケガ

転んだりぶつけたり、何かを踏んだりしてケガをしてしまうと、痛めた部位をかばって足に力が入らないのかもしれません。肉球を含め、足の隅々まで傷めているところはないか確認しましょう。

 

関節痛

年を取ると関節痛により踏ん張ることができなくなったり、歩行に異常をきたすことがあります。

 

軽い散歩で筋力アップ

「老いは足から」といいますが、犬も人間同様足から弱ってきます。

年齢とともに足腰の筋力が衰えてきたら、そのままにしておくとあっという間に寝たきりになってしまうので注意が必要です。

 

自力で起き上がったり歩いたりすることがままならなくなってきたと思ったら、筋力が低下してきたサインです。できるだけ早めにケアしてあげることが大切です。

 

散歩をさせる

ヨロヨロして足が弱ってくると、散歩を嫌がるようになるかもしれませんが、できるだけ連れ出してあげるようにしましょう。

 

加齢による筋力低下が起きているので、散歩はいい運動になります。さらに飼い主さんとの大切なコミュニケーション時間にもなるので、様子を見ながら短時間でもいいので散歩を取り入れるようにしましょう。

 

ペットカートや補助ハーネスを付けて散歩するだけでも、違います。外の空気を吸い、リフレッシュさせてあげましょう。

 

散歩の前後に準備運動を習慣づける

散歩の前にマッサージをしたり、軽く足の曲げ伸ばしを行いましょう。大きな足の筋肉をほぐして血流をよくすることで、筋肉や関節の可動域が広がり、転倒やケガの防止につながります。

 

散歩後はクールダウンが目的となります。散歩前と同じく、軽く足の曲げ伸ばしや全身をマッサージをして、使った筋肉の緊張をほぐします。ゆっくり優しく行うことで、疲れが残りにくくなります。

 

雨の日は室内トレーニング

雨の日でお散歩に行けないときは、室内でトレーニングをしましょう。

 

小型犬なら座布団やクッションの上をゆっくり歩かせるだけでも、運動になります。大型犬なら、ゆっくり立つ、ゆっくり座るだけでスクワット運動になります。

 

老犬に心地いい部屋づくり

筋力が衰えてくると段差の上り下りが難しくなり、足を滑らせたり、転んだりしてケガをしてしまうこともあります。足が弱くなってきたと思ったら早めに老犬のための心地いい部屋づくりをおすすめします。

 

・段差がないところにベッドを移す

・フローリングは滑らないようにマットを敷く

・周囲にものを置かないようにする

・ぶつかっても危険がないよう柔らかいものでカバーをする

 

老犬が歩き回る場所に危険なものはないかをまず、チェックします。

 

部屋作りの注意点1:階段

階段は老犬にとって危険ゾーンです。若い頃は何も問題なく上り下りができたとしても、年を取ると踏み外したり、落ちてしまったりします。滑りにくいマットを敷いたり、危ない場合は柵を付けてもいいでしょう。

 

部屋作りの注意点2:段差

段差は老犬の足腰に負担がかかります。イス・ソファ・ベッドなど、床との段差がある場合は要注意です。年を取ると着地に失敗することも多くなり、骨折することもあります。なぜ、そこに乗りたがるかを考えてあげてから対処してあげましょう。

 

たとえば飼い主さんがソファに座っているから、横に行きたくなるだけかもしれません。その場合は、ソファでなく飼い主さんが床に座ってあげればいいだけです。ベッドの横に階段を設けるなどすれば、足腰の負担も軽くなります。

 

食事環境の見直し

筋力が衰えてくると食事の体制を維持することが難しくなり、食欲低下につながりかねません。年を取ってくると頭を床まで下げるのが大変になるので、台を用意して、食器をワンちゃんの口元の高さまで上げるようにしましょう。こうすれば、ご飯も食べやすくなり、食事の姿勢もラクになります。

 

立てない場合は、フセをした状態で、口元に水やご飯を置いて自力で食べさせます。体を横にしたり、寝たままの状態で食べさせると詰まる原因になります。

 

また、硬いフードは食べづらいため、ぬるま湯、水、だし汁を加えて柔らかくふやかしてあげると食べやすくなります。水分を追加することで老犬に不足しがちな水分の補給もできます。ドライフードが食べにくそうなら、ウェットタイプに切り替えるのもおすすめです。

 

トイレ環境の見直し

足腰の衰えた老犬にとってトイレはたいへんです。老化が進むほどトイレの失敗が増えていきます。

 

トイレ以外の場所でしてしまったり、トイレシートからはみ出てしまったり、うんちの上に座り込んでお尻を汚してしまうこともあります。中には寝ているときにお漏らしをしてしまうこともあるでしょう。

 

体力が落ちてくると、トイレまで間に合わなかったり、消化機能の衰えから便秘や下痢になりやすく、踏ん張れずによろめいてしまうことはよくあります。

 

何度も失敗すれば飼い主さんもイラッとするでしょうが、相手は老犬です。犬の方もわざとしているわけではありません。体が思うように動かないだけですから、なるべく叱らないようにしてください。

 

犬自身もできることができなくなり、不安を感じているかもしれません。

体が思うように動かなくなってきても、環境を整えてあげると上手にトイレができるようになることもあります。

 

介護は「できないことをサポートする」のが基本です。何から何まですべてやってしまうのはいけません。なぜなら、何もできなくなってしまうからです。手助けすることで、できるようにしてあげてください。

 

トイレの場所を広げる

トイレが狭いとふらついてはみだしてしまう恐れがあるので、なるべくトイレシートを広げて、トイレの場所を広げてあげましょう。大判の洗えるトイレシートや赤ちゃん用のおねしょシーツなどを使うとラクです。

 

また、滑りやすいフローリングの上にトイレシートを置くとどうしても滑ってしまいます。滑り止めマットを敷くなどの対策を取り、滑りにくい環境を整えてあげましょう。

 

温度と湿度の見直し

老犬にとってのお部屋づくりは快適な温度設定が大切です。

高温多湿はワンちゃんの心身に負担をかけてしまいます。大型犬と小型犬の場合では違いはありますが、室温は25度前後、湿度は40〜60%が目安といわれています。エアコン、加湿器や除湿器、空調などで調節してあげましょう。

 

冷暖房の風に直接当たらないように気を付け、ベッドの位置にも気を付けるようにします。床の近くは冷たい空気がたまりやすいので、考えている以上に温度が違うことがあります。

 

そのため、温度を測る場合は床に温度・湿度計を置いて、チェックするようにしましょう。こうすることで正確な室温、湿度が測れるようになります。

暑いシーズンにはひんやり、寒いときにはあったかグッズを使うのもおすすめです。

 

まとめ

犬も年を取るとできないことが増えてきます。

 

・トイレで踏ん張れない

・ふらつく

・ものにぶつかる

・食欲が落ちる

 

若い頃には考えられなかったことが起きてくるので、飼い主さんも犬自身も不安になってきます。でも、これも自然なことで、人も犬も年を取り、避けられません。

 

踏ん張れない、トイレの失敗が多くなってきたら、なるべく早く老犬にとっての心地よい部屋作りを始めてください。そうすることで、老犬も心地よく生活することができるようになります。環境を整えれば自力で生活できる期間を伸ばすことにもつながり、飼い主さんと犬にとっても、穏やかで心地よい暮らしができるようになるでしょう。