老犬の介護やお世話に疲れ切ってしまい、手放したいけどどうしたらいいかわからないという飼い主さんもいるかもしれません。そんな時にどう解決すればいいのかをここでは紹介していきます。最後まで、愛犬が気持ちよく生きられるように、最善の選択をしてあげましょう。
目次
ペットを飼えなくなる理由
ペットと暮らしている方の中には、様々な事情によってペットとお別れしなくてはならない飼い主さんもいることでしょう。ここでは、どんな飼い主さんがペットを飼えないと考えるのか、その理由を紹介していきます。
・転勤
・けがや病気で入院しなければならない
・高齢で施設に入る
・愛犬がけがや病気になり医療費が払えなくなった、看病ができない
・離婚することになりどちらも引き取れない
・震災や緊急事態により飼えなくなった
・経済的に苦しい
どうしようもない問題ももちろんありますが、すこし工夫すれば解決できる問題もあります。これまで一緒に過ごしてきた大切なワンちゃんのためにできることを最大限やってあげましょう。
手放したいと感じたら
では、どうしようもない理由で手放したいと感じたらどうしたらいいのでしょうか。保健所に預けてしまうと、一定期間が経っても里親が見つからなかったワンちゃんは殺処分となってしまいます。できる限りそれは避けたいので、それ以外の解決策を紹介していきます。
解決策①:老犬ホームに預ける
もっとも老犬のためになる方法としては、老犬ホームの利用が挙げられます。
※老犬ホームとは:動物介護士や愛犬飼育管理士などの資格を持ったプロがシニア犬の介護をしてくれる施設のこと。犬の高齢化が進みつつあるこの日本で、徐々に注目されつつあるサービスです。相性のいいワンちゃんたちを同じ部屋やケージに入れて、24時間体制でお世話してくれます。
老犬ホームでは、投薬や食事の手伝いなどの基本的な介護はもちろん、寝たきりのワンちゃんの体位交換や排泄のケアまでお願いできます。料金は、基本的に年間単位での支払が殆どです。追加の料金が必要になると、その都度食事代や消耗品、医療費が後から請求されることもあります。
この方法が飼い主さんとワンちゃんにとって最善の策かと思われますが、まだまだ施設数が少ないのが現状です。また、費用も他の方法より高くつきます。
解決策②:ペットシッターに依頼する
介護レベルが上がってしまったワンちゃんを長時間お世話するのが厳しくて手放すことを考えている場合は「ペットシッターに手伝ってもらう」という方法もあります。
※ペットシッターとは:人間でいうベビーシッターやシルバーシッターのように、自宅までシッターさんが来てくれて、ワンちゃんのお世話をしてくれる出張サービスのこと。
まだまだ浸透していないですが、家を開けている時にペットシッターさんにお世話をお願いできます。ペットシッターさんを依頼すると、寝たきりの状態のワンちゃんの床ずれ防止のための体位交換やおむつの交換、決まった時間での投薬など、基本的な介護もお願いすることが可能です。経験豊富なシッターさんであれば、介護のアドバイスやポイントを教えてくれるかもしれません。
ペットシッターと老犬ホームの費用の目安
ここでは、ペットシッターと老犬ホームの違いや費用の目安を紹介します。飼い主さんにとって都合のいいサービスを選択しましょう。
料金比較
ペットシッター
1回4000円前後+交通費等
(初回契約料5000円前後、通院代行など別途料金が必要)
老犬ホーム
月単位:60000円前後、生涯契約の月単位50000円前後
(初回契約料10万円前後 ※生涯契約は預けてから無くなるまでお世話してもらう契約)
老犬ホームの選び方
老犬ホームとは、先ほど説明したように、ある一定の期間で老犬を介護しながら預かってくれる施設です。終身プランや長期の預かりをしてくれるので、飼い主さんの負担は最もかるくなるはずです。しかし、料金はお安くないのが現状です。ここでは、預けてから後悔することがないよう、失敗しない老犬ホームの選び方をお伝えします。
1. まずは現地を見学
実際に足を運ぶことで、インターネットやパンフレットでみていた情報だけではわからないようなことも見ることができます。大事な愛犬の幸せのためにも。。できる限り自分の目でどんな施設なのかを確かめに行くことをオススメします。写真などでは伝わらない空気感も感じられると思います。
2. 施設の責任者と話す
意外と重要になってくるのが、施設のスタッフさんと飼い主さんの相性です。スタッフさんたちが日頃どのようにワンちゃんたちと接しているのか、また飼い主さんにどういうことを求めているのかを確認しておく必要があります。「この人・施設になら大事な愛犬を預けられる」と思えるような施設を選びましょう。
ペットシッターの選び方
ペットシッターにお願いする際に一番気になるのは、「シッターさんを信頼できるか」という信頼性です。これまで大事に育ててきた愛犬をその人に預けることになるので、ペットシッターとしての理念はもちろんですが、経験や技量、親しみやすさなどを事前にチェックしておきましょう。
飼い主さんだけでなく、ワンちゃんとの相性もあるので、実際に会ってみないと分からない部分もあるかと思います。対応のスピードや丁寧さなど、ワンちゃんにとって不快になることがないかをチェックしておくと安心でしょう。ここでは、しんらいできるペットシッターの選び方をお伝えしておきます。
ホームページで開示されている情報
どんなひとがどんな資格を持っていて、どのようなお世話をいくらでやってくれるのか。さらに、万が一の事態にはどのような補償がついているのかなど、業務に関する詳細な情報がしっかり明記されているかを確認しておきましょう。
誰が:担当のペットシッターさんのプロフィールや経歴が詳細に掲載されているか確認しましょう。一部のベテランのペットシッターさんの実績だけが記載され、実際に派遣されるのは情報が掲載されていない無資格・未経験シッターという可能性もあるので、誰が来てくれるのかを必ず確認しましょう。
資格:「ペットシッター」や「動物」に関する専門の資格を取得しているのかは大きなチェックポイントのひとつです。ペットシッターは皆さんペットが大好きという方々のはずですが、個人の価値観や生活環境で培ってきた動物の知識や経験だけでなく、仕事のために勉強しているのか、資格を取得しているかどうかも信頼のひとつの基準になります。
内容:ワンちゃんのことを第一に考え、ペットが快適にすごせるようにお世話をしてくれる人を探しましょう。どんな風にワンちゃんと接してお世話をしてくれるのか、報告はどのようにされるのかを確認しておきましょう。
料金:分かりやすく良心的な料金体系になっているか確認しましょう。ペットシッターの料金に決まりはありません。他のサイトと見比べながら、飼い犬が該当するお世話料金が明確に記載されているか確認しましょう。低額な料金をうたって、後から追加料金が発生する場合もあるので、事前の打ち合わせが重要となります。
補償内容:保険加入や補償がしっかりしているのかを注意して見ておきましょう。お世話の対象が動物なので、どれほど注意していたとしても不測の事態が発生してしまうことはあります。万が一事故が起きてしまった時に、保険や補償がどうなっているのかを確認しておきましょう。
必要な資格を持っているか否か
動物に関わる仕事で資格が必要なのは獣医師さんのみです。つまり、誰でもペットシッターになることは可能なのです。
飼い主さんが留守のうちに自宅に上がり、愛犬のお世話をすることになるので、なにか間違いがあってからでは取り返しがつきません。その責任の重さを理解していて、仕事をする際に動物の行動学や医療知識などを習得しているシッターさんだと、ペットへの愛情を感じられますよね。
仕事のため、自分のため、そしてお客様と大切なワンちゃんのために、時間と労力をかけて向き合ってくれるシッターさんは、人間性においても信頼できるペットシッターと言えるでしょう。
プランの内容
ペットシッターはサービス業です。サービスの質や内容に見合った料金を支払う必要があります。オプション料金や追加料金として後から不本意に請求されることがないように、料金のプランがわかりやすく正確な所を選びましょう。
中には、格安のプランを設けているところもあります。他と比べて割安だから…と安易に飛びついてしまうのは危険です。ペットシッターのお仕事は、生き物の命を預かるという責任の重い仕事です。
「事前打ち合わせ」があり、同じシッターが責任をもって担当してくれる
ペットシッターに依頼する際、初回の打ち合わせが必要不可欠となります。電話やメールだけでは、どんなシッターさんなのかがわからず不安になってしまいますし、その時点でまともなペットシッターとはいえません。
保険や補償内容がしっかりしている
万が一事故が起きてしまった際に、どのような補償があるのか事前に確認しましょう。ペットシッターは生きている動物を扱う仕事ですので、万が一の状況に備えておく必要があります。例えば、ペットシッターが噛まれて怪我をしてしまった際、または散歩中に第三者に噛みついて怪我をさせてしまった際など、飼い主さんに高額な請求をされてしまうかもしれません。そんな時にどのように対応し、どういった保障があるのかも重要なチェック項目です。
まとめ:最後まで責任を持ち、ワンちゃんにとって最善な策をとりましょう
飼い主さんに思わぬ事態が起きたとき、どうしても最後まで老犬の面倒を見られないという方も一定数いらっしゃるでしょう。できる限り、愛犬がいい最期を迎えられるような選択をしてあげましょう。それが、飼い主さんのためにもなります。老犬ホームやペットシッターさんに頼るなどして、双方にとって最善な解決策を探りましょう。
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