シニア犬の標準的な睡眠時間はどれくらい?病気や快適な環境づくりのコツ

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いぬどし
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「最近、飼い犬の睡眠時間が異常に長い」

「歳を重ねてきたからか、寝床から動かなくなった」

など、ワンちゃんの睡眠時間に変化がみられて不安に思う方も少なくないのでしょうか。ここでは、睡眠時間に変化が起きた時の原因、改善策、寝やすい環境づくりのコツなどを紹介していきます。

 

犬は人間よりも睡眠時間が長い!

 愛犬がずっと寝ていると、どこか調子が悪いのではと心配になってしまう飼い主さんも少なくないでしょう。起きてしまえば元気に動き回って、食欲もあるのに、なぜ長時間寝てしまうのか不思議に思いますよね。

ワンちゃんは、人間と比べて長時間寝る傾向があります。成犬の場合は、12~15時間寝るのが一般的とされています。レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返す点は人間と一緒です。

 

レム睡眠とは、身体は寝ているけど脳が起きている状態、ノンレム睡眠は身体も脳も寝ている状態のことをさしています。子犬の頃の睡眠は主にレム睡眠ですが、歳を重ねるにつれて、レム睡眠とノンレム睡眠の比率が1:3くらいになり、ノンレム睡眠の割合の方が多くなってきます。

また、犬の睡眠は人間のように長時間連続で寝ているのではなく、外飼いのわんちゃんであれば、16分眠って5分覚醒を繰り返していると言われています。ただし、ワンちゃんの睡眠サイクルに関しては、いまだにわかっていない部分が多く存在していて、研究が進められている状況だそうです。

 

年齢によって異なる睡眠時間

01歳までの子犬

活発で好奇心旺盛な子犬は、とにかく動き回って体力をかなり消耗するので、長い睡眠時間が必要となります。疲れが残らないように、18~19時間ほど寝かせてあげるといいでしょう。

 

17歳程度までの成犬

1~7歳の頃は、睡眠時間は12~15時間が適正だとされています。1歳半を過ぎると成長のピークを迎えるので、子犬や老犬よりも睡眠時間が短くなる傾向があります。

 

8歳以上のシニア犬

個体差はありますが、体力が衰えてきた老犬は睡眠時間が長くなる傾向にあります。1日に18~19時間程眠ることも!そのため、食欲があって元気であれば、ワンちゃんが寝てばかりだからといって、大きな心配はいらないでしょう。

 

睡眠時間が短い・長い場合に考えられる原因

睡眠時間が平均よりも短い場合と長い場合に考えられる主な原因を紹介していきます。長く寝ている、もしくはすぐに起きてしまうなど、睡眠時間の変化と一緒に食欲や起きている時の体調などもチェックしてあげましょう。いつもと違う様子であれば、早めにかかりつけ医に相談するとよいでしょう。

 

睡眠時間が短い場合に考えられる主な原因

ワンちゃんは安心して眠れる場所でないと、睡眠時間が短くなってしまうことがあります。例えば、近所で工事をしていて騒音が気になったり、家族構成が変わって戸惑っていたり…。ワンちゃんにとっては、些細なこともストレスに感じる可能性があります。愛犬にとってストレスの原因がないかを探して、安心して眠れる環境を整えてあげましょう。

 

また、認知症の場合、夜泣きなどをし始めて睡眠時間が短くなってしまう傾向があります。他にも、呼吸器系の疾患や心臓疾患などが原因で、呼吸が浅くなってしまい、睡眠時間が短くなることもあります。いつもとどこか様子がおかしいなと感じたら、獣医師に診てもらうと安心です。

 

睡眠時間が長い場合に考えられる主な原因

睡眠時間が長い場合、ほとんどのケースに問題は見られないでしょう。しかし、異常なほど長時間寝ているなと感じたら、睡眠時の呼吸や起きている時の活動の様子を観察しておきましょう。あまりにも寝すぎの場合、ストレスが溜まっている可能性も否めません。ストレスが原因で甲状腺が機能しなくなり、ホルモンの分泌がスムーズにいかなくなった結果眠気を引き起こすことが稀にあります。

 

甲状腺機能低下症や脳腫瘍などの病気で睡眠時間が長くなる症状もあります。強い刺激がないと起きれなかったり、すぐに二度寝してしまったりなど異常な状態がみられるでしょう。

また、関節などが痛むために起き上がれない可能性もあります。ワンちゃんの様子をしっかりとチェックし、早期発見に努めましょう。

  

老犬になると現れる睡眠中の変化

歳を重ねてくると、飼い犬の睡眠にも下記のような変化が起きることがあります。

・変な場所で寝始める

・いびきが激しくなる

・寝相が無防備になる

・起こそうとすると怒る

 

これらのような変化がないか、注意深く愛犬を見てあげましょう。

 

睡眠中の変化①変な場所で寝始める

老犬は若いころに比べると体力や筋力が衰えていくため、徐々に運動量が減っていきます。そのため、家の中を歩いている間に力尽きてしまったり、ベッドに戻る前に眠り始めてしまうこともあります。愛犬がどこにいるのか、注意して見ておく必要があります。

 

睡眠中の変化②いびきが激しくなる

若い頃は静かに寝ていたワンちゃんが、歳を重ねるとフゴフゴと大きないびきを書くようになり、驚いた飼い主さんも少なくないでしょう。歳をとると、喉や首周りの筋肉が衰えていくため、期間が狭くなっていびきが大きくなることがあります。

また、肥満気味なワンちゃんも、志望が期間を圧迫することでいびきを書きやすくなります。

 

特にシニア初期のワンちゃんは、運動量や代謝も低下してしまうので、若い頃と同じような食事を続けてしまうと肥満体型になりかねません。太りすぎはいびきを引き起こすだけでなく、他の病気にもかかりやすくなってしまうので、体重管理はしっかりしてあげましょう。

 

睡眠中の変化③:寝相が無防備になる

丸まって眠るのがワンちゃんの基本的な睡眠姿勢といわれています。丸くなると、休所の内臓を守ることができ、寒い時も体温を閉じ込めておくことができます。鼻先を尻尾の中に埋めれば、全身温かくして眠ることができます。

ただ、安心できる家の中で眠るときは寝相が無防備になりがちです。例えば、手足を投げ出していたり、仰向けでお腹を丸出しにしているワンちゃんは完全にリラックスしきっているといえるでしょう。

 

睡眠中の変化④:起こそうとすると怒る

眠っているワンちゃんを起こそうとしたら、怒って威嚇してくるなどの様子が観られたら要注意です。眠っているのではなく、身体に痛みがあってできるだけ動かないようにしているのかもしれません。できるだけ早く獣医さんに相談しましょう。

 

寝てばかりの老犬にできることとは?

睡眠時間が長くなっていること意外に気になる症状がなかったとしても、歳を重ねると病気にかかりやすくなることは事実です。定期的に獣医師さんに相談して、診てもらうと安心でしょう。診てもらって特に病気などが見つからなかった場合は、下記のような対応をしてあげるといいでしょう。

 

散歩などで気分転換させる

散歩によって受ける様々な刺激は、ワンちゃんにとっていい気分転換になることが多いです。衰えがちな筋力を維持するためにも、体力に合わせた散歩が重要になってきます。無理のない距離・時間で散歩に出かけることを心がけましょう。

 

飲み水を近くに置いてあげる

寝ている時間が長いと、ワンちゃんも気付かないうちに脱水症状を引き起こすこともあります。寝床の近くに常に飲み水をおいてあげる事で、こまめに水分が取れるようにしてあげましょう。

 

寝床を快適なものに変える

 長時間フローリングで眠っていると、身体の一部分だけ長い間圧迫されて、血行不良を引き起こしたり、壊死することもあります。ワンちゃんの身体の負担を減らすために、圧を分散してくれるふかふかなベッドを用意してあげましょう。

 

犬が快適に眠るための環境の整え方

愛犬の健康を守るためには、ワンちゃんが安心して快適に睡眠をとれる下記のような環境が必須です。

・暗くて狭い場所

・ふかふかのベッド

・温度管理にも配慮が必要

・寝床とトイレは別

 

ここでは、すごしやすくなる環境についてご紹介していきます。

 

過ごしやすい環境①:暗くて狭い場所

犬は、元々巣穴で暮らしていたといわれています。そのため、広い部屋よりも、狭くて暗い場所を好む特性があります。ワンちゃんにとって寝るのにベストな環境は「クレート」と呼ばれるいわゆる「ハウス」です。

クレーとは壁に囲まれているので、完全に光を遮ってくれて、巣穴に似たような安心感があります。クレートの中で飼い犬が一周できるくらいの広さが理想です。ワンちゃんの身体の成長に合わせて、クレートの大きさを変えてあげるといいでしょう。

柵で囲われたケージタイプは光が入りやすいので、ケージの中にクレートを入れてあげるか、タオルや段ボールなどで光を遮断してあげるのがオススメです。

 

過ごしやすい環境②:ふかふかのベッド

ケージの中やフローリングは床が硬いので、直接寝ていると関節ウを痛めてしまったり毛が抜けやすくなることもあります。ワンちゃんが寝る場所には、ふかふかのベッドを用意してあげると喜ぶでしょう。ベッドの準備が難しい場合は、使わなくなったタオルや洋服などを重ねたりして、クッション性の高い場所を作ってあげると、ゆっくり安心して休息をとることができます。

 

過ごしやすい環境③:温度管理にも配慮が必要

ワンちゃんが快適な睡眠をとるためには、温度の調節も重要になってきます。シングルコートのワンちゃんは、夏は22~25度、冬は20~25度が適温だと言われています。ダブルコートのワンちゃんは、夏が23~26度、冬は19~23度が適温になります。

 

特に、子犬や老犬はうまく自分で体温調節ができないことが多いので、寒暖の差に注意し、適温を保てるようにしましょう。夏は保冷剤が入ったマットを利用したり、冬場はホットカーペットを敷いてあげるのもオススメです。

 

過ごしやすい環境④:寝床とトイレは別

ワンちゃんはとても綺麗好きな子が多いので、寝床とトイレを別々の場所においてあげることだけでも快適に眠れるようになることもあります。犬は昔、巣穴で暮らしていたので、巣穴の中で排泄すると菌などが増殖してしまうことを理解しています。

愛犬がトイレできちんと排泄できる段階になったら、寝床とトイレを別々にしてあげるといいでしょう。

 

老犬が長時間寝ている時の注意点

飼い犬が長時間寝ている時は、自ずと身体にも変化や異常が発生していることが多いです。寝る時間が増えてきたなと感じたら、下記の点に注意しておきましょう。

 

注意点①:太りやすくなる

シニア期に入ったばかりのワンちゃんは、運動量は低下しているのに食欲はそのままの子が多いです。そうすると代謝も衰え、肥満になりやすくなるので注意が必要です。肥満になってしまうと、心臓や関節に負担が大きくかかることになり、糖尿病などほかの病気を引き起こす危険性も高まります。適正体重を維持できるよう、飼い主さんがしっかり見てあげましょう。

 

注意点②:床ずれのリスク

飼い犬の睡眠時間が長くなってきた時に注意しておきたいのが床ずれです。長い時間同じ体勢で寝ていると、身体の一部分が圧迫された状態が続くことになります。そうすることで、血行不良を起こし、皮膚の細胞が壊死してしまうこともあります。寝たきりではなくても、睡眠時間が長くなった老犬は床ずれに注意してみてあげましょう。床ずれは悪化していくスピードが早いため、ワンちゃんの皮膚に少しでも異変がみられたら、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

 

注意点③:血行不良になる

睡眠時間が長くなってくると、純粋に運動量も低下していきます。そうなると、血流が悪くなり、身体が冷えやすくなってしまったり、胃腸の働きが鈍くなってしまうことも起こり得ます。また、耳の先など末端の毛が抜けてしまったり、皮膚の状態が悪くなってしまうこともあるので、マッサージや適度な運動も取り入れながら血行促進を手伝ってあげましょう。

 

注意点④:関節が硬くなりやすくなる

寝ている時間が長くなってくると、身体を動かす時間が短くなる分、関節が硬くなりやすくなります。そうなると、スムーズに身体を動かせなくなるので、余計に動きたがらなくなってしまいます。運動量が減少して筋力まで低下してしまうと、さらに関節に負担がかかる歩き方をしてしまうという悪循環に陥ることもあります。関節が炎症を起こす前に、しっかりとケアしてあげることが重要です。

 

まとめ:睡眠時間に異変を感じたら、まずは動物病院を受診しよう

歳を重ねるにつれて、睡眠時間が長くなるのは普通のことです。しかし、その裏には、病気やその可能性が隠れていることもあります。まず、異変を感じたら動物病院を受診しましょう。その結果何も異常が見られなかった場合は、愛犬がより快適に過ごせるように、環境を整えてあげましょう。