老犬のお漏らしの原因は?ケース別の対策と3つの注意点を解説!

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「最近トイレの失敗が増えたような気がする」

「老犬のお漏らし対策は、具体的にどうしたらいいのかしら」

このように、愛犬のお漏らしに悩んでいませんか?

なかには「年だからしょうがない」とあきらめている飼い主さんもいるかもしれません。

しかし、老犬のお漏らしの原因は老化だけではなく病気の可能性も考えられます。

この記事では、以下のことについて解説します。

・老犬がお漏らしをする7つの原因

・【3つのケース別】老犬のお漏らしの対策方法

・老犬のお漏らしに対する3つの注意点

 

愛犬のお漏らしの正しい原因を知り、しっかり対策したいという飼い主さんは、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

老犬がお漏らしをする7つの原因 

人間と同じように、犬も加齢に伴ってお漏らしをしやすくなります。そのため、老犬のお漏らし=老化が原因と思われがちです。たしかに、老化による筋力の低下が原因でお漏らしをする場合もあります。しかし、病気やそれ以外の可能性もあることを忘れてはいけません。

 

そこでこの章では、老犬がお漏らしをしたときに考えられる以下の7つの原因について詳しく解説します。

1.老化による筋力低下

2.多飲多尿の症状がみられる疾患

3.泌尿器系の疾患

4.ホルモン系の疾患

5.神経系の疾患

6. 認知症

7.薬の副作用

 

1. 老化による筋力低下   

老犬のお漏らしの原因として、1番に考えられるのが老化による筋力低下です。老犬になると、尿道括約筋(おしっこの通り道である尿道の周りにある筋肉)が衰えることがあります。すると、立ち上がるときやくしゃみをするときなどお腹に力が入ったときに、尿道を閉めきれず膀胱内にあるおしっこが出てきてしまうのです。

また、手足の筋肉が衰えることもお漏らしの原因になります。老犬になると体を動かす筋力の低下によって動きが遅くなり、「おしっこしたい」と思ってトイレに向かう間に、間に合わずおしっこが出てしまうことがあるのです。

 

2.多飲多尿の症状がみられる疾患  

糖尿病や腎臓病、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)になると、水をたくさん飲むようになります。それによっておしっこの量が増え、膀胱にためられなくなるのでお漏らしをしてしまうのです。

これらの病気は、完全に治すことが難しく、愛犬の健康維持のためには早期発見がカギです。若いころから水をたくさん飲む犬もいますが、変化に気づけるよう、飲水量とおしっこの量は定期的にチェックしましょう。また、糖尿病であれば体重減少、腎臓病であれば食欲低下、副腎皮質機能亢進症であれば脱毛などの症状が見られることも。いつもと様子が違う場合は、すぐに動物病院を受診するようにしてください。

 

3. 泌尿器系の疾患  

膀胱炎や尿路結石にかかると、頻繁におしっこをするようになります。膀胱に尿がたまりきっていない状態でも尿意が起こり、我慢できずにお漏らしをしてしまうのです。

膀胱炎はメス犬や老犬、尿路結石はミニチュア・シュナウザーやシー・ズーといった犬種で発症しやすいといわれています。血尿やおしっこにキラキラしたものが混ざっているのを発見したら、すぐに動物病院を受診してください。

予防のためには、トイレを我慢させないことや水を飲ませる工夫をすることです。ペットシーツは汚れたままにせず、もともと水を飲まない犬の場合は飲み水に味をつけたり、フードをふやかしてあげたりすると良いでしょう。

 

4. ホルモン系の疾患

メス犬の場合はホルモン反応性尿失禁、オス犬の場合は前立腺肥大がお漏らしの原因となっている場合があります。

ホルモン反応性尿失禁は、避妊手術を受けたメス犬で多く見られ、女性ホルモンの低下が原因とされています。ホルモン剤の投薬が有効とされていますが、薬の副作用が懸念されることやホルモン反応性尿失禁自体が命にかかわるものではないことから、治療しないケースもあるようです。

 

ちなみに、以下の犬種でホルモン反応性尿失禁のリスクが高いという報告があります。飼い主さんは、特に注意してください。

・アイリッシュ・セッター

・ドーベルマン・ピンシャー

・ダルメシアン

 

一方、前立腺肥大は、去勢手術を受けていないオス犬で多く見られ、ホルモンバランスの崩れが原因とされています。前立腺肥大の1番の予防法は、去勢手術を受けることです。

 

参照:Urinary incontinence in bitches under primary veterinary care in England: prevalence and risk factors – PubMed (nih.gov)

 

5.  神経系の疾患

椎間板ヘルニアや脳腫瘍などの中枢神経系の疾患、事故による外傷などによって、排尿に関わる神経が損傷し、排尿のコントロールができなくなる場合があります。

椎間板ヘルニアであれば体を触るのを嫌がる、脳腫瘍であればふらつきや痙攣などの症状が見られることもあるでしょう。

 

脳腫瘍の予防は難しいですが、椎間板ヘルニアの予防法は以下の3つです。

・首や背中などの関節に負担をかけない

・太らせ過ぎない

・適度な運動による筋力の維持

 

特に、椎間板ヘルニアになりやすいウェルシュ・コーギーやミニチュア・ダックスフントの飼い主さんは、注意しておきましょう。

 

6.認知症

認知症によってトイレの場所が分からなくなり、お漏らしをしてしまうことも。

認知症になると、同じところをグルグル回り続ける、夜鳴きをするなどの症状が見られます。認知症を治すことはできませんが、症状を改善することはできるので、1度獣医師に相談しましょう。

予防するには、頭を使うことと脳に栄養を与えることが重要です。散歩は毎日コースを変えて、おやつの時間にはノーズワークマットを使ってみるのも良いでしょう。また、認知症予防に有効とされるDHAやEPAなどを含んだ食材やサプリメントを食事に取り入れることもおすすめです。

 

7.薬の副作用

利尿作用がある薬を飲んでいる犬は、お漏らしをしやすくなります。老犬になると、薬を処方されるケースが増えると思いますが、処方された薬の効果だけでなく副作用についてもよく聞いておきましょう。特に、初めて飲む薬の場合は注意が必要です。

絶対に飲まなければならない薬でない場合や薬の服用により頻繁にお漏らしをする場合は、獣医師に相談して量を減らすか、薬を変えてもらうことをおすすめします。

 

【ケース別】老犬のお漏らしの対策

上記では、老犬のお漏らしの原因について解説しました。適切に対処すればお漏らしが改善するものもありますが、改善せず一生付き合っていかなければならない場合もあるでしょう。

そこでこの章では、飼い主さんができるお漏らしの対策方法について3つのケース別に紹介します。

 

今まで室内でトイレをしていた場合

若い時から室内でトイレをしていた犬の場合は、オムツを利用するのが1番簡単にできる対策です。犬用のオムツはもちろん、犬のサイズによって赤ちゃん用のオムツや高齢者用の介護オムツを利用している飼い主さんもいます。

ただし、オムツをつけるのに抵抗を感じる犬もいますよね?そんな時は、トイレの数を増やしたり、移動させたりするだけでもお漏らしを防ぐことができます。特に、トイレに向かっているけれども、間に合わなくてお漏らしをしてしまっている場合に有効な方法です。

 

お漏らしを予防するには、スムーズにペットシーツの上に行けることも大切。トイレの周りにはできるだけ物を置かないようにしましょう。トイレトレーの段差を超えるのが大変になってきたら、マット状のものやフラットになっているトイレに変えるのもおすすめです。

 

今まで屋外でトイレをしていた場合

今まで室内ではおしっこをせず、いつも散歩に行ってトイレをしていた場合は、お漏らしをする前に散歩に連れて行くようにしましょう。この場合「おしっこに行きたい」という意思表示をしてくれる犬であれば良いのですが、そうでない場合は飼い主さんが気づいてあげる必要があります。

とはいえ、長時間愛犬の様子を見ておくことはできませんよね?そんな時のために、日ごろから排せつの時間や量を記録しておくことをおすすめします。そうすれば、おしっこのタイミングを把握しやすくなるし、病院を受診した際はその記録を見せることでより正確な診断をしてもらえるでしょう。

ただ、日中飼い主さんが家にいない場合はどうしても我慢せざるをえません。その場合は、トイレトレーニングを検討しても良いでしょう。

 

寝たきりの場合

自力で立ち上がれない犬の場合も、やはりオムツが有効です。おしっこの量が多く横漏れしてしまう場合は、オムツの中に人間用の尿パッドをつけて吸収性を高めたり、赤ちゃん用のおねしょシーツの上に寝かせて汚れてもすぐに取り換えられるようにしたりするなど工夫しましょう。

 

また、尿漏れ防止が期待できる食材を食べさせるのも良いかもしれません。具体的には、フィト・エストロゲンを含む“おから”やメチオニンを含む“魚類”がおすすめです。特に、フィト・エストロゲンは女性ホルモンに似た働きをするので、病気のケアや予防のためにいつもの食事に取り入れると良いでしょう。ただし、アレルギーや服用している薬などとの関係から食べてはいけない犬もいるので、与える前には必ず獣医師に相談してください。

 

老犬のお漏らしに対する3つの注意点

上記では、飼い主さんに試してほしいお漏らしの対策について解説しました。そのうえで、老犬のお漏らしに関しては、飼い主さんがやってはいけないこともあります。

そこでこの章では、老犬の健康を維持するための3つの注意点について解説します。

 

1.叱らない

老犬がお漏らしをしても、絶対に叱ってはいけません。なぜなら老犬は「お漏らしをしたから叱られた」と感じるのではなく「おしっこをしたから叱られた」と感じてしまうからです。そうなると、老犬はおしっこを我慢するようになるため体に良くありませんし、病気のリスクを高めます。

 

お漏らしとは、自分の意志とは関係なく出てしまうおしっこのことです。老犬自身はどうすることもできませんし、今までできていたことを失敗してショックを受けているとも考えられます。

老犬がお漏らしをしても、イライラせず叱ることなく処理してください。どうしても老犬が申し訳なさそうにする場合は、おしっこをしたことに対して褒めてあげると安心するのではないでしょうか。

 

2.すばやく処理

老犬がお漏らしをしたら、できるだけ早く対処してください。

フローリングにした場合は、シーツやタオルで吸水してから、除菌・消臭スプレーで拭き取るようにしましょう。拭いた場所は犬が舐める可能性もあるので、犬に害のないスプレーを使用してください。

ちなみに、フローリングを汚したくないなら、タイルカーペットがおすすめ。汚れた部分だけ洗えるし、老犬の関節の負担を軽減することもできます。

 

また、手足や陰部が汚れていないかの確認も忘れないでください。汚れていた場合は、速やかに洗ってきれいにしましょう。ただし、汚れるたびにお風呂に入っていては、老犬の体に大きな負担になります。汚れた範囲が狭い場合は、犬用のウェットティッシュやドライシャンプーで済ませても良いでしょう。老犬だけでなく飼い主さんの健康を守るためにも、環境と体は常に清潔に保つようにしてください。

 

3. 飲み水を制限しない

老犬がお漏らしをするからといって、飲み水を制限してはいけません。特に病気が原因で水をたくさん飲んでいる場合は、逆に症状が悪くなる恐れがあります。

飲む水の量が増えて、頻繁にお漏らしをするようになった場合は、飲み水を制限するのではなく、動物病院を受診するようにしましょう。

 

まとめ:老犬のお漏らしが気になったら、まずは病院へ

この記事では、老犬のお漏らしの原因を紹介した上で、その対策方法や注意点について解説しました。

この記事の、ポイントをおさらいすると以下の通りです。

・老犬のお漏らしは、老化だけでなくさまざまな病気が原因の場合もある

・老犬のお漏らしの対策方法として1番有効なのはオムツ

・老犬のお漏らしで注意すべきことは、叱らない・すばやく処理・飲み水を制限しない

 

老犬がお漏らしをする原因はさまざまですが、病気の場合は治療することでお漏らしが改善することもあります。お漏らしは、飼い主さんだけでなく愛犬にもストレスになるので、お漏らしをするようになったら動物病院を受診してください。

現在、愛犬のお漏らしに悩んでいる飼い主さんは、この記事を参考にしてお漏らしに対処しましょう。