老犬の体が熱いときはどうする?体温の測り方や原因、熱中症について解説!

このサイトにはPRが含まれています

いぬどし
writer

老犬を抱いたとき、体が思ったより熱かったらびっくりしてしまいますよね?

「気温と湿度が高いからだろう」

「少し調子が悪いだけかな」

などと、そこまで深刻に考えない飼い主さんも多いでしょう。

しかし、老犬の体が熱い原因は緊急性が高く、早く動物病院を受診するべき病気や熱中症の場合もあるのです。

この記事では、老犬の体が熱いと感じたときに飼い主がやるべきことを紹介した上で、犬の体温の測り方から老犬の体が熱い場合に考えられる原因と対策についても解説していきます。

この記事を参考にして、老犬の体が熱くなり過ぎず、快適に過ごすことができるようにサポートしていきましょう。

 

老犬の体が熱いと感じたときに飼い主がやるべきこと

老犬の体が熱いと感じたら、まずは以下の順番で対応しましょう。

  1.     発熱以外に危険な症状は見られないかチェック   
  2.     体温を測る   
  3.     動物病院を受診する

 

体温調節機能が衰える老犬ですが、体が熱いというサインは体の不調を表す重要なものです。このサインを見逃さないようにしましょう。

 

1.     発熱以外に危険な症状は見られないかチェック

老犬の体が熱いと感じる場合には、一刻も早い適切な処置を必要とするケースがあります。体が熱い以外に次のような症状が見られたら、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。

 

・激しい嘔吐

・下痢

・呼吸が荒い

・フラフラ歩いている

・ぐったりしている

・意識がない

・失禁している

 

2.     体温を測る

人間でも熱っぽいなと感じたときは体温を測りますよね?

犬の場合も同様に、体温を測ることで本当に熱があるのかを確認するようにしましょう。

そのとき、41度を超えていれば速やかに動物病院を受診するようにしてください。体温が高くなりすぎることで多臓器不全を引き起こした場合、早めに対処しなければ回復しても後遺症が残り、最悪の場合は死んでしまうこともあります。

 

愛犬を守るためには、体温チェックが欠かせないという事は分かったけれど、「どうやって測ればいいか分からない」「いつも獣医さんにしてもらっていたから自分でやるのは不安」などと考える飼い主さんも多いのではないでしょうか?

そんな方は、このあと解説している犬の体温の測り方を参考にしてみてください。

  

3.     動物病院を受診する

特に老犬の体の不調や病気は進行が速いので、早め早めの対処が欠かせません。そのため、愛犬が危険な状態だと判断した場合は、家を出る前に先に動物病院に連絡を入れておくことをおすすめします。

こうすることで、獣医師もある程度の準備ができるし、病院についた後もスムーズに優先して診てもらえるでしょう。さらに、体温や家での様子もしっかり伝えるようにしてください。

 

犬の体温の測り方

体温計のイラスト

一般的に犬の体温は直腸温度を測ります。そのため、動物病院で獣医師が愛犬の肛門に体温計を挿すのを見たことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか?

一見簡単そうに見えるけれど、「実際自分でやるとなると心配だ」という飼い主さんのために、ここでは体温計で上手に体温を測るポイントと体温計が使えない、または持っていない場合に愛犬の体温を知る方法についても解説します。

 

ペット用の体温計で測る場合   

体温計を使って愛犬の体温を測る場合は、できれば2人で行うようにしましょう。慣れている犬の場合は1人でも大丈夫なのですが、もし体温計がお尻に入ったときに犬が動いてしまうと直腸を傷つけてしまう可能性があるので注意してください。

2人で行う場合には、1人が犬の体を押さえて声掛けやおやつで気を引きつつ、もう1人がお尻から体温を測るようにします。ここで飼い主さんが緊張していてはその緊張が愛犬に伝わってしまうので、みんなが楽しくリラックスした雰囲気でやるようにしてみましょう。具体的な手順は以下の通りです。

 

  1.     衛生面が気になる場合は、体温計の先端にカバーをつける(ラップでも代用可能、体温計を抜くときにお尻に残らないように注意)
  2.     滑りをよくするために、体温計の先にワセリンを少量塗る
  3.     利き手ではない方の手で尻尾の付け根を持ち、やさしく持ち上げる
  4.     肛門から体温計をゆっくりと3cmほど挿しこむ
  5.     測定終了まで動かさないようにしておく
  6.     測定終了の合図が鳴ったら、ゆっくり体温計を抜く
  7.     上手に体温測定ができた愛犬を褒める

 

正確な体温を測るポイントは、”排便しそうな場合は避ける”と”体温計は適度に挿しこむ”という2点です。

まず1つ目の”排便しそうな場合は避ける”というのは、直腸に体温計を挿しこんだときに便があると、正確な体温を測れないから。また、体温計がお尻に入った刺激で排便してしまうかもしれません。

2つ目の”体温計は適度に差し込む”というのは、深く入れすぎると犬が不快に感じてしまいやすくなるし、浅すぎると正しく体温が測れません。目安の3cmを分かりやすくするため、体温計にマーカーやテープなどで印をつけておくと良いでしょう。

 

ペット用の体温計で測れない場合  

ペット用の体温計がない場合は、人間用の体温計でも代用することはできます。しかし、ペット用に比べて人間用の体温計は、先が固く肛門を傷つけてしまう可能性があるのでおすすめしません。

 

また、ペット用の体温計があったとしてもお尻を触られるのが苦手な犬の場合は、体温計をお尻に入れるのはとても難しいですよね?そんな時は無理にやるのは止めましょう。最近では、耳で測るものから触れずに測れる非接触式の体温計まであるので、これらを利用するのもいいですね。

 

また、体温計に頼らなくても、普段はそれほど熱くならない耳やしっぽ、足先(肉球)などを触ってみてください。その時熱ければ、発熱しているという1つの判断基準になります。普段からたくさんコミュニケーションをとり、愛犬の体を触るようにしましょう。

 

老犬の発熱に早く気づくポイント

病気の犬のイラスト(ペット)

上記で体温の測り方について詳しく見てきましたが、まずは愛犬の体温の変化に飼い主さんがいち早く気づくことが重要です。そこでこの章では、犬が発熱しているときに良く見られる状態と犬の平熱について見ていきましょう。

 

発熱時に見られるサインを知っておく   

犬が発熱して体が熱い場合は、人間と同じように以下の症状が見られます。

・元気がなく、ぐったりしている

・食欲がない

・呼吸が荒い

・下痢

・1日中寝る

など

 

上記の症状は1つの例なので、この症状以外でも愛犬の様子がいつもと違うと感じた場合は体温を測り、動物病院を受診するようにしましょう。

 

愛犬の平熱を知っておく  

特に体調が変化しやすい老犬の体の状態を知る1つの手段として、定期的な体温チェックは有効です。

一般的に犬の平熱は38〜39度と言われていますが、犬種や年齢でも異なります。また、朝は低く、運動後には高くなるなど1日のうちにも変化があるものです。

そのため、体温チェックをする場合は、朝ごはんの後や夕方の散歩に行く前など体温を測る時間も決めておくと良いでしょう。定期的に記録することで、老犬の体調の変化にすばやく気づき、早めの対応ができるようになるかもしれません。

 

老犬の体が熱い場合に考えられる原因と対処法

調子が悪い犬のイラスト

特に老犬には辛い思いはしてほしくないですよね?この章では老犬の体が熱い場合の原因と対処法について理解するため、考えられる以下の3つの原因について見ていきましょう。

・加齢による機能の衰え  

・病気

・熱中症

 

加齢による機能の衰え

シニアになると、暑さや寒さを感じる感覚器官とともに体温調節機能も衰えてきます。さらに足腰も弱るため、熱い状態でも長時間その場にい続けてしまい、体が熱くなる場合があるのです。

たとえば、寝たきりの老犬にも日光浴をさせたいという事で、老犬を日に当たる場所に寝かせたとします。健全な犬であれば暑さを感じてその場を移動するような場合でも、寝たきりの老犬は移動できません。

 

そのため、飼い主が移動させるまで熱い状態のままになってしまうのです。熱いという意思表示として鳴いてくれれば飼い主も気づくことができるのですが、老犬自身が熱いことにも気づかずにずっと寝ている場合は要注意です。

 

このようにシニア犬は寝ていることが多く、もしかしたら子犬の時のように気にかけることが減っているかもしれません。しかし、老犬こそちょっとした変化にも気づく必要があるという事を忘れずに、定期的に愛犬の様子を見るようにしましょう。

  

病気

人間と同じように発熱の原因として考えられる病気はたくさんありますが、ここでは特に老犬がかかりやすい以下の3つを紹介します。

・感染症

・悪性腫瘍

・炎症性疾患

 

免疫力が低下した老犬は、さまざまな感染症にかかりやすくなります。感染症には、細菌やウイルス、寄生虫によるものがあり、細菌感染による歯周病や子宮蓄膿症は特に注意したい病気です。

 

老化や食事、遺伝などさまざまな要因から遺伝子に傷がつくと、細胞が増殖して腫瘍になります。そして、高齢になるほど乳腺腫瘍や口腔腫瘍などの悪性腫瘍(がん)ができやすくなるのです。

 

刺激、異物、毒物、中毒、薬剤、自己免疫などにより起こる炎症性疾患には、膵炎や多発性関節炎などがあります。

これらの病気は対策方法がそれぞれで違うので、別の記事で個別に紹介しますね。

 

熱中症

体温調節機能が衰えた老犬にとって特に注意したいのが熱中症です。

2016年にイギリスの獣医師が診察したおよそ91万頭分のカルテ記録から熱中症の原因を探した研究によると、原因が特定されているうちの74.2%が「運動」により引き起こされ、そのうちの67.5%が「散歩」によるものだったことが判明しました。

 

犬の熱中症に関しては、よく車に放置された犬がニュースで取り上げられていますが、この研究から、実際は普段の散歩こそ注意すべきだという事が分かります。

暑さに弱い犬のための熱中症対策グッズがたくさんあるので、上手に利用して愛犬を熱中症から守りましょう。ここでは、特にお散歩のときに使いたいグッズをいくつか紹介します。

 

・クールバンダナ

・冷感ウェア

・熱中症チェッカー

 

 

クールバンダナなどの首に巻くタイプのグッズは、中に保冷剤を入れる場合が多いです。ペット用のものであれば、保冷材にペットが舐めても問題ない原料が使われているものが多いですが、万が一のために確認するようにしましょう。

 

冷感ウェアは服を水に濡らし、その気化熱を利用して体感温度を下げる製品が多いです。長時間の散歩では、服が乾燥しきって効果が薄れることがあるので注意しましょう。

 

熱中症チェッカーは、温度と湿度を感知して警戒レベルになると光と音で警告してくれるグッズです。愛犬のハーネスやリードにもつけられるので、愛犬の顔の高さで測定できるのはメリットですが、これに頼りすぎるのもよくありません。

散歩に行く前に道路に手を当てて熱くないかの確認をするなど、飼い主さんが直接確かめることも大切です。

 

参照:https://www.countryliving.com/uk/wildlife/pets/a33520123/dog-owners-warned-against-walking-dogs-heat/

 

まとめ:老犬の体が熱い、熱中症?と思ったら動物病院へ

熱は、解熱剤を使えば一時的に下げることはできますが、発熱の原因が病気や熱中症などの場合は、治療をしなければ良くなることはありません。つまり、飼い主の判断で薬をあげるだけにしたり、1日様子を見たりしている間に容体が悪化してしまう可能性があるという事です。そのため、老犬の体が熱いなどの異変を感じたら動物病院への受診をおすすめします。

 

しかし、体が熱いというだけで病院に行くのは気が引けるという飼い主さんは、ぜひ自宅で老犬の体温を定期的に測るようにしてみてください。老犬の体調を判断するバロメーターとして有効活用できるでしょう。