散歩を嫌がる老犬(シニア犬)の歩かない理由と対処法を解説

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ラビット
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わんちゃんがだいすきなお散歩。今までは喜んでお散歩に行っていたのに年を取るにつれて、

行きたがらない日があったり、いつものお散歩コースを歩いていてももう疲れたのかな?と思う日もありますよね…

しかし、ストレス発散や運動不足解消など、健康のことを考えると「愛犬のためにいつも通りお散歩に連れて行ってあげたい!でも、老犬になったら散歩に行くのはかわいそうなのかな…」と悩んでいる飼い主さんはたくさんいらっしゃると思います。

今回は、そんな老犬(シニア犬)のお散歩事情についてのお話です。

老犬にお散歩は必要なの?


結論から言うと、老犬にも適度な運動が必要です!

散歩には、運動不足を解消することで筋力低下を抑制したり、ストレス発散などの効果のほかに、外の刺激や情報を得ることで認知症対策にも効果があります。外のにおい、音、太陽の光など外の刺激を断ってしまうと、認知症の可能性が高まることや、食欲が低下してしまうため、それを防止するためにも老犬にも散歩は必要なのです。

散歩する時間の長さや歩く距離ですが特に決まりはありませんので、強制的に連れて行かなければいけないわけではなく、愛犬が散歩に行きたがる素振りや、元気に動きだしたときに連れて行ってあげましょう。また、散歩中に老犬が立ち止まるときがあれば、それはこれ以上散歩をするのが辛いという意思表示かもしれません。

老犬が歩きたがらない理由と対処法


挿絵:てりやき

老犬が散歩に行きたがらなくなる理由には、

・体調不良
・心の不調   の2つが大きく考えられます。

・体調不良
歳を重ねるにつれて、筋力が落ちてくると体の重さに耐えきれなくなり関節痛などの運動機能の痛みが表れます。また、老化とともに肉球が固くなり、爪が弱くなったり、内臓の機能低下による息苦しさも原因としてあげられます。

体調不良は、歩き方に違和感がある、足や腰を触ると嫌がる、足が震えているなど愛犬からのサインで気づくことができます。このようなサインがみられる場合は早めに獣医さんに診てもらいましょう。

・心の不調
歳を重ねるにつれて感覚器系の低下により、いつも見えていた道が見えづらくなってしまう、音が聞こえないなど不安感を抱きやすくなり散歩が怖いと感じるようになり、日に日にストレスを抱えてしまいます。ストレスを感じると犬は、自分の全身や鼻をしきりに舐める、あくび、震える、自分のしっぽを追いかけて回るなど、「カーミングシグナル」と呼ばれる自分自身を落ち着かせるための行動をとります。

老化による感覚器系(視覚、聴覚、嗅覚など)の機能の低下が原因で感じるストレスは、遠くへは行かず愛犬が不安を感じない範囲で散歩に行き、車や人の少ない公園などに連れて行ってあげるなど、不安に感じている要素を取り除くようにしてあげるとよいでしょう。

犬も人間と同じように歳を重ねるにつれ、体調不良や心の不調など身体の変化が起きやすくなります。老犬が散歩中に倒れるようなケースもあります。犬は、人間よりも歳をとるスピードが早いように、病気も人間よりも早いスピードで進行します。昨日までは元気だったのに突然散歩に行きたがらなくなって辛そうにしているなど、普段と様子が違うと感じたら、愛犬の体調不良を疑い、かかりつけの獣医さんに相談しましょう。「このくらいで病院に行くのは心配しすぎかな…」と迷われる飼い主さんは、かかりつけの動物病院に電話で相談をしてみるのもいいと思います。

老犬のお散歩に適した時間や距離


前述したように、老犬との散歩には時間や距離などを定めるのではなく愛犬と飼い主さんのペースで行うことが大事です。しかし、老犬に限らず犬の散歩には避けるべき時間と場所があります。

それは「気温の高い昼間の日のアスファルトや砂場の上」です。

真夏のアスファルトや砂場にうっかり裸足で立ってしまったとき、やけどをしてしまうほど暑いと感じた経験はありませんか?犬の肉球も同じように直に暑さを感じてしまいます。人間が手のひらで触って熱いと感じる温度は犬にとってもすごく高温です。温度がわからず心配な時は、地面に手のひらを当ててみてください。人肌以上に熱い場合は、散歩の時間をずらすことが好ましいです。また、犬は人間よりも平熱が高く、低い位置にいてアスファルトから近いため人間が感じる気温よりも高く感じます。そのため熱中症の可能性を高めてしまうこともあるため、暑い日は、なるべく昼間の時間を避けたり、日陰を歩くなどアスファルトの気温に注意しながら行うことが大切です。

夏場は気温の高い昼間の時間を避けても暑さが1日続く日もあります。そんな日は、適度に水を飲ませてあげたり、体を濡らしてあげる、冷却タオルをまいてあげるなど身体を冷やすなど熱中症対策をおこなってあげるといいでしょう。

反対に、冬場の気温が下がりすぎている時間帯の散歩は関節を痛めやすくなってしまうこともあるので、昼間の陽が差す暖かい時間帯の散歩がおすすめです。また、散歩の前に家の中で少し体を動かしてあげたり、足を伸ばしてあげるなど身体を暖めたり、短毛タイプの愛犬には洋服を着せてあげるのも寒さ対策になります。

冬場以外にも、雨の日の散歩は濡れてしまうと、体が冷たくなってしまったり気温が下がってしまうのでレインコートを着せてあげたり、帰宅後はタオルで拭いてあげるのがよいでしょう。

「歩かない散歩」という選択肢


歩いて行うものだけが散歩ではありません!歩行が困難な愛犬でも、飼い主さんが抱っこして散歩したりするなど外に出してあげるだけでもいい刺激になります。また「犬用カート」での散歩も、おうちにいるより脳への刺激を与えることができます。しかし、犬用カートを用いた散歩にはいくつか注意点があります。

挿絵:てりやき

〇犬用カートでの散歩の注意点
犬用カートでの散歩は、カートから愛犬が落ちないように注意することが必要です。外には犬の興味を引くものがたくさん広がっています。普段はおとなしい愛犬でも突然カートから飛び降りてしまう可能性は0ではありません。カートに乗せるときは必ずリードをつけて、突然飛び出そうとしても引っ張ることができるようにカートに括り付けるのではなく、飼い主さんがリードを持つようにしましょう。カートに括り付けてしまうと、愛犬が飛び出してしまったときに首吊り状態になってしまう可能性もあります。首輪だと不安な場合は、首だけではなく胴体まで覆うことのできるハーネスの使用もおすすめです。

また、カートの上にトイレシーツを引くのはあまり好ましくありません。犬は自分の寝るところでトイレをしたくない習性のある生き物なので、お散歩にストレスを感じてしまう可能性が生じてしまいます。心配な場合はショーツを履かせたり、出かける前にトイレをさせてから乗せるようにしましょう。

※犬用カートでの散歩は、歩行が困難な老犬に外の空気に触れさせてあげることで脳への刺激を与えてあげる面で効果的ですが、筋力上昇や維持を助けるものではありません。筋力が低下しないために元気な老犬には、適度に「歩く散歩」での運動がおすすめです。

老犬は日によって気分や体調の変化が大きくなります。散歩をやめてしまうと筋力低下や認知症の発症などに拍車がかかってしまうため、愛犬の普段の様子をしっかり観察し、散歩に連れて行ってあげることが大切です。また、今日は散歩に行きたくなさそうだなと感じる場合は「今日は行かないでおこう」という選択も時には大切になります。日々の散歩は愛犬の健康を維持することはもちろん、愛犬とコミュニケーションをとる大切な時間の一つです。ほかのわんちゃんは、毎日長距離長時間お散歩してるのにな…と不安に思うこともあると思いますが、散歩の仕方は十人十色です。愛犬と飼い主さんだけのペースや方法でお散歩を楽しんでください!