犬は多くの人にとって、家族の一員として親しまれています。
犬を飼うことは、責任と愛情を伴う素晴らしい経験であり、犬との楽しい時間を過ごすことができます。しかし、犬を飼うことには、注意しなければならないこともあります。
犬を飼う上で、大切なことの一つが散歩です。犬を散歩させることは、運動不足や健康上の問題を防ぐだけでなく、犬が社会化し、精神的にも健康であることを保証することができます。しかし、多忙なスケジュールや天候の悪化など、犬を散歩させることができない状況が生じることもあります。
そこで、今回は「犬を散歩しないとどうなるのか?」というテーマについて、その影響を健康と精神面の両面から探っていきたいと思います。
犬を飼う人はもちろん、犬を飼うことを検討している人や、犬を見かけたときに気になることがある人にとっても、有益な情報を提供することができるでしょう。犬の健康と幸福について、一緒に考えていきましょう。
目次
犬の散歩を怠ると健康に悪影響を与える
犬を散歩させないことで、犬の肥満や筋肉の低下、関節の痛みや病気のリスクが高まります。また、ストレスや不安などの心理的な問題も引き起こすことがあります。
さらに、犬を散歩することは、飼い主自身の健康にも良い影響を与えます。散歩は運動になり、適度な運動は心臓や肺、筋肉、骨などの健康に必要不可欠です。また、散歩中に日光に当たることで、ビタミンDを生成することができます。ビタミンDはカルシウム吸収に必要であり、骨の健康に重要な役割を果たします。さらに、散歩中に外の空気を吸うことで、リフレッシュ効果があり、ストレスや不安を軽減することができます。
健康リスクとして考えられる病気とは
犬の散歩を怠ることは、様々な病気を引き起こす可能性があります。以下にその具体例を示します。
・肥満
犬が運動不足になると、肥満になりやすくなります。肥満は、糖尿病や心臓病、関節痛などの病気のリスクを高めます。
・関節痛
犬が散歩不足になると、運動不足により筋肉や関節が弱くなることがあります。その結果、関節痛を引き起こす可能性があります。
・心臓病
犬が運動不足になると、心臓が弱くなることがあります。その結果、心臓病を引き起こす可能性があります。
・便秘
犬が散歩不足になると、腸の動きが悪くなることがあります。その結果、便秘を引き起こす可能性があります。
・不安やストレス
犬が長時間家に閉じ込められていると、不安やストレスを引き起こすことがあります。その結果、病気のリスクが高まる可能性があります。
・無防備な状態になる
散歩不足の犬は、外に出る機会が少なく、外の環境に慣れていないことがあります。そのため、外で無防備な状態になり、事故や攻撃などの危険があります。
犬の年齢に応じた適切な運動量とは
犬の年齢に合わせた適切な運動量を確保することは、犬の健康維持に不可欠です。以下に一般的な目安を記載します。
成犬は、1日に30分から1時間の散歩や軽いランニングが適切です。
高齢犬は、筋肉量やエネルギー消費が低下するため、1日に数回の短い散歩が適しています。また、中・大型犬は骨や関節の負担が大きいため、長時間の激しい運動は避けるべきです。
小型犬は活発で、運動量が必要ですが、体力が限られているため、適度な運動を行うようにしましょう。
子犬は、成長期にあるため、運動を通じて筋肉や骨を発達させる必要があります。ただし、過度の運動は逆効果になることがあるため、犬種や個体差に合わせた運動計画が必要です。一般的に、子犬は1日に数回の短い運動が適しています。
適切な運動量を確保するためには、犬の健康状態や行動特性に配慮した計画が必要です。また、暑い時期や寒い時期には、適切な環境で運動を行うようにしましょう。
運動前後には、十分な休息や水分補給が必要です。運動は犬の健康にとって重要ですが、適度な量と方法を選ぶことが大切です。
犬の種類に応じた適切な運動量とは
犬の種類ごとの適切な運動量は、犬種の大きさ、体重、年齢、性別、健康状態、性格などによって異なります。以下に一般的な犬種について、適切な運動量の目安を示します。
トイ・プードルやチワワなどの小型犬は、日常生活での散歩や遊びを十分に行うことが運動量の目安です。1日2〜3回、15〜30分程度の散歩や遊びをすることが適しています。
ビーグルやコッカースパニエルなどの中型犬は、適度な運動が必要です。1日1〜2回、30〜60分程度の散歩や遊びをすることが適しています。
ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーなどの大型犬は、運動量が多く必要です。1日2回、60〜90分程度の散歩や遊びをすることが適しています。
ハスキーやジャーマン・シェパードなどの特に大型の犬種は、高い運動量が必要です。1日2回以上、90分以上の散歩や運動をすることが適しています。
ただし、犬種によっては、運動不足による健康リスクや過剰な運動によるケガのリスクがあるため、個々の犬の状態に合わせた運動計画を立てることが大切です。また、年齢や健康状態によっては、運動量を調整する必要があります。定期的な健康診断や獣医師との相談が必要です。
犬を散歩しないと精神面にも影響がある
犬の散歩が持つ精神的な効果
犬の散歩は、飼い主にとっても精神的に良い効果があることが知られています。以下に、具体的な効果を示します。
ストレス解消:犬と一緒に散歩をすることで、自然とリラックスでき、ストレス解消効果が得られます。また、犬の無邪気な行動や表情を見ることで、気分が明るくなり、ストレスを軽減できます。
運動効果:犬の散歩は、飼い主にとっても運動効果があります。散歩中に歩くことで、身体を動かし、有酸素運動をすることができます。また、犬が走ったり遊んだりする姿を見て、自然に笑顔になることもあるでしょう。
社交的効果:犬を散歩させることで、他の犬や飼い主と交流する機会が生まれます。犬同士が触れ合ったり、飼い主同士が会話をしたりすることで、社交的な効果も得られます。
健康効果:犬の散歩は、飼い主にとっても健康効果があります。散歩中に日光を浴びたり、新鮮な空気を吸ったりすることで、免疫力が向上し、健康にも良い影響を与えます。
犬の社交性を育むためにも散歩が必要
犬の散歩は、犬の社交性を高める重要な役割を果たしています。以下に、具体的な点を示します。
犬同士の交流:犬の散歩中に、他の犬と出会う機会があります。犬同士が挨拶をしたり、遊んだりすることで、社交性が高まります。また、同じ犬種同士のグループウォーキングなど、犬同士の交流を促すイベントに参加するのも良いでしょう。
飼い主同士の交流:犬の散歩中に、他の飼い主と出会う機会もあります。犬の話題をきっかけに、会話が始まることがあります。犬の種類や性格、健康について情報交換をすることで、飼い主同士の交流も生まれます。
社会化の促進:犬の散歩は、社会化の促進にもつながります。犬が人や他の犬に慣れることで、社交的になり、ストレスを軽減できます。また、犬のしつけにも役立ちます。例えば、他の犬に吠えないようにするトレーニングができます。
散歩不足が引き起こす行動問題とは
犬は散歩や運動不足によって、身体的な健康に悪影響があるだけでなく、行動問題を引き起こす可能性があります。以下に、具体的な行動問題をいくつか挙げてみます。
吠える行動:散歩不足の犬は、ストレスを感じることが多く、そのストレスを吠えることで表現する場合があります。また、散歩が不足することでエネルギーを発散できないため、余分なエネルギーが蓄積され、吠える行動をとることがあります。
噛む行動:散歩不足の犬は、自己表現の手段として、飼い主の物や家具などを噛む行動をとる場合があります。また、ストレスや不安を感じることで、噛む行動をとることもあります。
暴れる行動:散歩不足の犬は、余分なエネルギーを発散できず、運動不足によるストレスがたまり、暴れる行動をとることがあります。家具やカーペットなどを傷つけたり、他のペットに噛みついたりすることもあります。
以上のように、犬の散歩不足は、身体的な健康だけでなく、行動問題にもつながる可能性があります。適切な運動量を確保し、犬のストレスを軽減することが、行動問題を防ぐ上で非常に重要です。
散歩の時間の目安は
ワンちゃんにとってどのくらいの散歩が必要なのでしょうか?
1日2回
・小型犬の散歩時間:15~30分程度
・中型犬の散歩時間:30分以上
・大型犬の散歩時間:30分~1時間程度
上記はあくまで目安です。ただし、犬種や年齢、体調などによっても必要な運動量はそれぞれ異なります。
では、ここからはワンちゃんの大きさ別に散歩の時間を詳しく見ていきましょう。
小型犬の散歩時間の目安
1回40分~60分程度
・トイ・プードル
・ミニチュア・ダックスフンド
1回20~30分程度
・チワワ
・シーズー
小型犬の場合、体が小さいため、大型犬ほど多くの運動量は必要ありませんが、ストレス解消や社会性を養うためにも散歩は必要です。
ただし、成犬でも体重が4kg以下の場合、骨や関節もデリケートです。負荷がかかり過ぎないように気を付け、長距離は歩かせないよう調整しましょう。
中型犬の散歩時間の目安
1回30分程度
・柴犬
・シェットランド・シープドッグ
・アメリカン・コッカースパニエル
1回1~2時間程度
・ウェルシュ・コーギー
・ボーダー・コリー
・ビーグル
中型犬は小型犬以上に犬種ごとに必要な運動量に大きな差が出てきます。たとえば、狩猟犬や牧羊犬の犬種は、
運動量が必要ですから、普通の散歩だけでは運動量が足りないかもしれません。
ちなみに、10分間のウォーキングで歩ける平均的な距離は約1,000歩で距離は600~700m程度です。
ですから、15分程度で約1km、30分なら約2kmということになります。中型犬に適した散歩時間は1回30分ほどが目安になります。
ただ歩くだけでなく、運動が好きなワンちゃんなら一緒に遊んであげたり、ドッグランで走らせてあげたりと必要な運動量が確保できるように工夫してあげましょう。
大型犬の散歩時間の目安
1回30分~1時間
・ラブラドール・レトリバー
・ダルメシアン
・ゴールデン・レトリバー
・ドーベルマン
・秋田犬
大型犬に適した散歩時間は、30分〜1時間ほどが目安です。ただし、体が大きいため、走らせすぎると足や関節、心臓に負担を与えてしまうことがあります。
特に1歳になるまでの成長期は、股関節形成不全などの障害に見舞われてしまう恐れがあるので注意が必要です。1歳までは、長い距離をゆっくりと歩き、肥満にならないように適度な散歩を心がけるといいでしょう。
シニア犬の散歩時間の目安
シニア犬になると、どうしても脚や腰、関節などが弱くなってきてしまいます。老犬だからといって散歩を止めてしまうと、ますます立ち上がれなくなったり、歩けなくなったりと老化を早めてしまう原因にもなります。
散歩は良い刺激となるので、体調、足腰、関節などの様子を見ながら、外に連れ出してあげましょう。
ただし、疲れやすいので30分も必要はありません。途中で歩けなくなってしまうと、散歩が嫌いになってしまう恐れもあります。
散歩時間は1回10分程度にとどめ、ワンちゃんのペースに合わせ、1日2~3回に分けて散歩に行くのもいいでしょう。
何度も散歩へ連れだせない、中型犬以上で抱っこが難しい場合は、カートに乗せて外の景色を見せたり、公園などに連れて行って少し歩かせたりするだけでも十分な運動になります。
シニア犬の散歩で気をつけたいポイント
人間も同じですが、シニアになると当然、身体能力が衰えてきます。以下のようなことが老化サインです。
・歩く速度が遅くなる
・お尻の位置が落ちる
・後ろ足がハの字
・聴力や視力の低下
・怒りっぽくなる
・食欲が落ちる
・トイレの失敗
・白髪が増える
・毛が薄くなるなる
ワンちゃんもいつまでも若くはないので、年を取ることでケガや病気のリスクが高まります。では、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
ウォーミングアップを行うこと
いきなり運動をさせると、心臓や身体に負担をかけてしまいます。関節のマッサージなどのウォーミングアップを行ってから散歩に行くようにしましょう。
短めの散歩を心がけること
長い時間、距離を歩けなくなってくるワンちゃんも多くいます。しかし、どれくらいが適量かはワンちゃんによるので歩くペースが遅くなったり、何度も立ち止まるようであれば、疲れてきたサインかもしれません。無理はせず、様子を見ながら1日に何回かにわけて短めの散歩に連れていきましょう。
平坦な道を選ぶこと
階段の上り下りは、関節への負担が大きいので、できれば平坦な道を選んであげましょう。
体調をよく見ること
年を取るほど、1日の間でも体調の変化が激しくなります。朝は元気だったのに夕方になると歩くのもつらそうということもあるほどです。
体調があまりよくなさそうな日は無理に連れて行かないようにしましょう。また、散歩時間を短くするなどしてワンちゃんのペースに合わせてあげるようにしましょう。カートに乗せて少し連れ出すだけでも、気分転換になります。
時間帯や気温に気を付けること
年を取ると体温調節機能が衰えてきます。体に負担が少ない気温の時間帯を選んであげることも大切です。寒い季節は日が出ている時間を選び、風が吹いていて寒そうなら防寒着などで覆ってあげるのも手です。
シニア犬が散歩を嫌がるとき
そもそも散歩に行きたがらないワンちゃんの場合はどうしたらいいのでしょうか。
おやつで誘う
シニアになると好奇心の低下や体の不調などから、散歩に行きたがらなくなることもあるでしょう。散歩が好きなのに、急にイヤがるようなら体調に変化がないか注意深く観察してください。体調が悪くなさそうなら、おやつで外へ誘い出す方法を使ってみましょう。
補助具を使う
足腰が立たないようなら、負担を和らげる目的の補助具が市販されています。「吊り下げハーネス」は一般的に使われている補助具ですから、取り入れるのもおすすめです。
カートを使う
ペット用カートに乗せて散歩に連れて行くという手もあります。運動することにはなりませんが、気分転換や脳への刺激にはなります。
まとめ:犬の散歩は、犬の健康と幸福に欠かせない重要な活動
犬を散歩させることは、犬にとって非常に重要な運動と社会化の機会を提供することになります。犬を散歩させないと、運動不足になり肥満や心臓病、関節炎、糖尿病などの健康問題が発生する可能性があります。
また、散歩は犬の精神面にも良い影響を与えます。犬は自然に好奇心が強く、新しい刺激を求めています。散歩を通じて新しい環境に触れることで、犬は刺激を受け、興奮し、リラックスすることができます。また、散歩は社交的な機会でもあり、他の犬や人と交流することで社会化が促進されます。
一方、犬を散歩させないことで引き起こされる問題は、犬の行動の問題です。ストレスや不安などの精神的な問題が発生し、それが問題行動につながることがあります。例えば、噛み癖や吠える癖、部屋の中でのトイレ問題などが挙げられます。
犬を散歩することは、犬の健康と幸福に欠かせない重要な活動の一つです。定期的な運動と社会化が、犬が健康的で幸せな生活を送るために必要です。
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