「老犬がなかなかご飯を食べてくれない」
「老犬の体が日に日に痩せていくのを見るのがつらい」
このような症状に悩まされる方も多いのではないでしょうか。
老犬の食欲不振は、長く続くと老犬の余命に影響することもありできるだけ早く 改善したいものです。
この記事では、老犬がご飯を食べない理由と対策方法について解説します。
また、老犬がご飯を食べない場合の余命や水を飲まない場合についてもまとめましたので、老犬の食欲不振を回復させたい方はぜひ参考にしてください。
老犬の食欲不振の理由
老犬が食欲不振を起こす理由として考えられるのは、大きく分けて次の4つです。
- 老犬の運動不足
- ご飯の好みの変化
- 老化による体の機能低下
- 病気
あなたの愛犬に当てはまる症状がないか、よく確認してみてください。
運動不足
老犬が食欲不振に陥る原因の一つは運動不足です。運動不足により筋力が衰え、エネルギーを消費できないためご飯を食べなくなることがあります。また、運動不足によるストレスで食欲が低下してしまっている可能性も否定できません。
しかし、老犬は過度な運動を行うと体に負担をかけてしまいます。むやみに散歩の時間を増やすのではなく、一日数回に分けて行う方がいいでしょう。犬種にもよりますが、一般的に成犬は1日30分程度の運動が必要です。10分の散歩を3回、それでも疲れてしまうようなら2回にしてあげましょう。
さらに、老犬の負担にならない程度に軽く遊んであげたり、体をやさしくマッサージすることも有効です。
好みの変化
老犬の好みが変化することで、今までのご飯では食欲がそそられずに食欲不振になってしまうこともあります。
犬は食べ物を嗅覚・味覚からの情報で判断するため、嗅覚や味覚が衰えた老犬はより香りが強い食べ物を好む傾向にあるためです。
老犬にドライフードを与えていた場合は、香りや味が弱いために食いつきが悪いのかもしれません。
その場合は、ドライフードにぬるま湯を加えると香りが引き出され、食欲を刺激できる可能性があります。
ドライフードの上に、ウェットフードをトッピングしてみてもいいでしょう。
また、ドライフードの上に肉や野菜をトッピングした手作り食も有効です。
老犬の手作り食については後ほど解説していますので、ぜひご覧ください。
機能低下
犬も人間と同じように、年齢とともに体の機能が低下します。
体の機能が低下することでご飯を食べにくくなったり、受け付けなくなることも考えられるでしょう。
ここではよくある事例を取り上げてご紹介します。
消化機能の低下
老犬が食欲不振になる理由の一つは、消化機能の低下です。犬も人間と同じように老化によって消化機能は衰えて基礎代謝も低下します。そのため、一度に多くの食べ物を摂ってしまうと消化機能に負担がかかります。
解決策としては、同じ量の食べ物を数回に分けて与えることが効果的です。例えば、ドッグフードのパッケージ表記の適正量を残す場合は、食事を2回から3回に分けるといいでしょう。
嚥下機能の低下
老犬がご飯を食べない原因の一つは、嚥下機能の低下です。嚥下機能が低下すると、食べ物を飲み込みにくくなり食欲が低下します。さらに、あごの力が弱いためにご飯を食べられないケースもあるでしょう。
この場合は、ご飯を柔らかいものに変えたり、食べやすい形の食器を使うことが効果的です。ドライフードをふやかしたり、おかゆやスープなどの流動食に変えてみましょう。
また、四角い形や高さがある食器を使っている場合は、老犬の口元がすみまで届かないことがあるため丸く平たいお皿を使うことをおすすめします。食器が軽い場合もお皿が移動してしまいご飯を食べられない原因となりますので、重さがあるものに変えてみてください。
病気
最後に考えられるのは、老犬が病気のためにご飯を食べないケースです。
病気が原因の場合は、食欲不振にも老犬に異変が見られる場合が多くあります。
老犬がご飯を食べられなくなる病気を大きく分けると、次のとおりです。
- 歯周炎などの口腔内疾患
- 下痢や嘔吐などの消化器疾患
- 多飲多尿などの腎臓の疾患
あなたの愛犬に当てはまる症状がないか、ぜひチェックしてみてください。
歯周炎などの口腔内疾患
歯周炎などの口腔内疾患は、老犬が痛みを感じたり歯がぐらついてご飯を噛めなくなり食欲不振につながることがあります。
犬は歯垢が歯石に変わるスピードが早く、老犬の約8割は歯周炎とも言われているほど口腔内疾患にかかりやすいのです。
また、老犬の口腔内疾患がひどくなり、抜歯をした場合もご飯を食べづらくなり避けてしまうことがあります。
口腔内疾患は毎日歯磨きをすることで予防できますが、すでに症状が進行している場合は病院で歯石の除去が可能です。
しかし、歯石の除去には全身麻酔をかけるため、老犬の負担となるデメリットも忘れないようにしましょう。
下痢や嘔吐などの消化器疾患
老犬が食欲不振だけでなく、下痢や嘔吐をする場合は消化器疾患を抱えている疑いがあります。消化器とは胃や腸など、ご飯を食べてから消化・排泄されるまでの器官のことです。老犬がかかりやすい消化器疾患はいくつかありますのでご紹介します。
- ・急性胃腸炎
急性胃腸炎は、老犬が突然体調をくずして下痢や嘔吐を起こします。
長くても3日ほどで自然に治りますが、長引く場合は病院で皮下点滴などの治療を受けると2日ほどで回復可能です。
- ・急性大腸炎
急性大腸炎は、老犬がお腹の痛みから何度もトイレに通い、下痢がみられる病気です。
排泄物に血が混ざっていることもありますが、自然治癒すれば1〜3日ほどで治ります。
とはいえ、何日も愛犬が苦しむ姿を見るのは気が引けますよね。
すぐに治療したい場合は、病院で整腸剤や粘膜保護剤、下痢止めなどを処方してもらいましょう。
また、愛犬のお腹を温めて体を冷やさないようにすることも有効です。
- ・膵炎
膵炎は、老犬の膵臓が炎症を起こすことで発症します。
激しい嘔吐や下痢が特徴的で、原因はあまり解明されていません。
老犬の肥満や、高脂肪なご飯を食べているとなりやすいといわれています。
膵炎は軽度であることは少なく、治療に1週間〜10日ほどかかるケースが多いです。
治療が遅れると命に関わることもあるため、老犬が激しい嘔吐や下痢をする場合はすぐに病院へ連れていきましょう。
- ・膵外分泌機能不全
膵外分泌機能不全は、いくら食べても脂肪を吸収できずに痩せてしまう病気です。
軟便が続いたり、ご飯を食べているのに体重が落ちる場合は病院で治療を受けましょう。
膵臓の機能は基本的には回復しないため、一度かかると生涯治療が必要です。
ですが、薬を使うことで症状は回復します。
- ・小腸吸収不良
小腸吸収不良は、小腸が炎症を起こして栄養を吸収できない病気です。
急に下痢や嘔吐を起こし、ご飯を食べなくなるため体重が減っていきます。
誤って異物を食べたり、寄生虫などが原因です。
病院で異物や寄生虫を取り除くことで治療できます。
また、消化器疾患を抱えている場合は下痢や嘔吐以外にも、嘔吐や吐き戻し、衰弱などの症状がある場合があります。
老犬の消化器疾患が疑われる場合は、動物病院で診察を受けることが必要です。
多飲多尿などの腎臓の疾患老犬に多飲多尿などの症状がある場合、腎臓の疾患が疑われます。
腎臓の疾患にかかると尿に糖分が含まれるようになり、それが邪魔をして尿から水分を吸収できなくなるのです。
腎臓の疾患にかかった犬は、初期症状に多飲多尿があらわれ次第にご飯を食べなくなります。
多飲の目安は、老犬の体重1kgあたり1日100ml以上の水をたえず飲んでいる場合です。多尿は、1日で体重1kgあたり50mlを超えると該当します。
腎臓の疾患は臓器の組織を壊してしまうため、発症すると完治はできません。
早期発見できれば余命は1年ほどですが、末期の場合の生存日数は平均2週間〜3ヶ月以内です。
老犬に多飲多尿がみられる場合は、動物病院で検査をした方がいいでしょう。しかし、腎臓の疾患は数値にあらわれにくいため注意が必要です。
老犬の食欲不振の対策
老犬の食欲不振への対策はいくつかあります。
- 老犬に与えるご飯を工夫する
- 改善しない場合は病院へ
それでは解説します。
食欲不振におすすめのご飯
老犬がご飯を食べない時、何なら食べてくれるのでしょうか。
食欲不振の老犬には、必要な栄養素を十分に摂取できる、高タンパク低脂質のご飯がおすすめです。
食欲不振であっても、老犬が食べたがるものだけを与えるのはよくありません。
栄養素が偏り、老犬が体の調子を崩してしまう原因となります。
では、具体的にどのような食材を与えればいいのでしょうか?
ここでは食材の一例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
- ・低脂質なタンパク質(ささみ、ラム肉、馬肉、マグロなど)
- ・食物繊維(キャベツ、にんじん、さつまいも、豆類など)
- ・良質な脂質(えごま油、亜麻仁油、オリーブオイルなど)
- ・抗酸化作用があるもの(ブロッコリー、カボチャ、イチゴ、リンゴなど)
- ・乳酸菌を含むもの(ヨーグルト、納豆、モッツァレラチーズ、カッテージチーズなど)
手作り食
老犬が食欲不振を起こしている場合は、餌として手作り食を与えることで食べてくれるようになるかもしれません。
手作り食は症状や悩みによって食材を変えることができるため、老犬に合わせたご飯を与えられます。
しかし健康そうだからといって、犬に有害な食べ物を与えてはいけません。
代表的なのはネギ類、イカやタコ、カニなど一部の魚介類、アボカドやブドウ、レーズンなどです。
ハムやソーセージなどの加工肉はカロリーが高く、レバーは食べすぎると過剰症を起こすため健康被害となる可能性があります。
与えすぎには十分気をつけましょう。
また、食材の組み合わせや調理方法によっては栄養素が偏りやすいため、犬の栄養管理についてしっかりと学ぶことが重要です。
飼い主の手作り食だけでは栄養を完全に補うことはできません。
ドッグフードに食材をトッピングしたりと、あくまでも補助的に与えるようにしましょう。
サプリメントによる栄養補給
食欲不振の老犬には、サプリメントで足りない栄養素を補給する方法もおすすめです。
犬用サプリメントはドッグフードなどのエサにかけるだけで簡単に与えられ、飼い主の負担が少ない点もメリットといえます。
犬用サプリメントの選び方は目的によって異なりますが、期待したい効果によって選ぶといいでしょう。
犬用サプリメントでは、老犬がご飯を食べない時の栄養補給のほかにこのような症状に効果が期待できます。
- ・皮膚がカサつく
- ・白内障
- ・関節が弱くなった
- ・認知症
老犬に足りない栄養素をおぎなったり症状改善を期待したい場合は、犬用サプリメントの利用がおすすめです。
ただし、サプリメントはあくまで補助の役割で、薬のように病気を完治させることはできないため注意しましょう。
老犬の栄養補給についてはこちらの記事で解説しています。
ここでは、老犬でも食べやすいピューレ状のおやつを紹介します。
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獣医師へ相談
最後に、症状が改善しない場合はかかりつけの獣医師へ相談しましょう。
もし病気が原因で食欲不振を起こしていた場合、早期発見すれば完治できる可能性があり、症状をケアすることも可能です。
ご飯を食べない状態が長期化すると、老犬の寿命にも関わってくることがあるため早めの診察をおすすめします。
おすすめの動物病院は当ブログでも紹介していますので、老犬の症状が気になる場合はぜひチェックしてみてください。
老犬の食欲不振に関するよくある質問
老犬の食欲不振に関するよくある質問をまとめました。
ぜひ参考にしてみてください。
老犬がご飯を食べないがおやつは食べるのは何故?
おやつは犬の食いつきが良くなるように、食べやすさやおいしさを重視して作られています。
ドッグフードよりも柔らかくて、塩味や甘味、風味をつよく感じるものばかりです。そのため、食欲不振の老犬でもおやつは食べることがあります。
食べないよりは食べた方がいいのですが、おやつばかりでは健康上あまりいいとはいえません。その場合は、おやつを手作りしたり果物などを与えて、カロリーを抑えてあげるといいでしょう。
老犬がご飯を食べないが水は飲むのは何故?
老犬がご飯を食べずに水しか飲まない場合は、数回程度であれば老化によるものと考えられます。
しかし、その状態が続くのであれば、病気や不調を抱えていることがあるため注意が必要です。
腎臓の疾患や糖尿病、多飲多尿を引き起こします。
病気の初期症状や口内の異常は気づきにくいため、気になるときは早めに動物病院で受診しましょう。
この症状についてはこちらの記事も解説しています。
老犬がご飯を食べないのでミルクをあげても大丈夫?
老犬用のミルクであれば、あげても問題ありません。
ご飯は食べられなくても、飲みやすいミルクであれば飲んでくれる老犬もいます。
栄養価が高いので、老犬がご飯を食べてくれない場合はあたえましょう。
ただし、必ず老犬用のミルクを与えてください。
人間用のミルクは犬が消化できない乳糖が含まれており、お腹を壊してしまう可能性があります。けっして与えないでください。
老犬がご飯を食べないけど余命は?
老犬がご飯を全く食べない場合の余命は、数日〜1週間程度と言われています。数回の食事のうちたまに食べない程度であれば寿命が近いとは考えにくいです。しかし全くご飯を食べない状態が続くと、残された時間はそう多くはないでしょう。
また、老犬は亡くなる前兆として食欲不振になりご飯を食べなくなることがあります。
できるだけ愛犬のそばにいて、見守ってあげましょう。
まとめ
老犬がご飯を食べない理由は、老犬が食欲不振を起こす理由は、運動不足や好みの変化、体の機能低下、病気などが原因でした。
老犬がご飯を食べないのはけっしてわがままではなく、何かしらの理由があることがほとんどです。
対策方法としては、フードを柔らかくしたり手作り食やサプリメントで栄養を補う方法があります。
老犬のご飯を工夫することで改善が見込める場合が多いですが、改善しない場合はなんらかの病気を抱えている可能性があるため動物病院で早めに診察を受けましょう。
老犬が食欲不振から回復し、しっかりご飯を食べられるように適切な治療やサポートを行ってあげてください。
老犬について知る
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