老犬が急に立てない!もう寿命?飼い主ができる対策を解説

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いぬどし
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「ふらつくことが多くなった」

「なかなか立ち上がれない」

 

老犬の姿を見て、心配している飼い主さんも多いと思います。

犬は人間と比べ歳を取るのも早いので、あっという間にシニアになっていたと感じる方も多いのではないでしょうか。

 

本記事では、犬の平均寿命、足の筋力アップなど少しでも元気で長生きするため対策をご紹介します。

 

犬の平均寿命は14.65歳

誰もが、愛犬といつまでも一緒にいたいと思うものです。しかし、生きているものはいつかは死を迎えます。残念なことに死からは逃れられません。

できれば考えたくないことですが、いつかは考えなければならないときがやってきます。

 

まず、犬の平均寿命は何歳なのでしょうか。

 

「アニコム 家庭どうぶつ白書 2022」を見ると、2008年度は13.2歳、2009年度は13.1歳でしたが、2020年度の犬の平均寿命は14.1歳でした。ということは、11年で1年ほど延びたことになります。

参考:「アニコム 家庭どうぶつ白書 2022

 

ちなみに人間の平均寿命も見てみると1955年は男性63.60歳、女性67.75歳でしたが、2020年の平均寿命は男女ともに80歳を超えています。つまり、65年間で17〜20年間ほど平均寿命が延びているのです。

参考:厚生労働省「令和2年版 厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える- 平均寿命の推移

 

室内飼育が一般的になったことのほか、動物医療の進歩、事故や病気のリスクの減少、年齢に合ったフードの開発などで、犬の寿命が延びているのです。

 

犬種別の平均寿命は?

では、犬種によって平均寿命にどれほどの差があるのでしょうか。

アニコム損保が2016年に発表した「犬種による寿命の調査と分析」によると、5位までは以下のようになります。人気犬種ではチワワが13.7歳で12位でした。

 

犬種別平均寿命

犬種 平均寿命 大きさ
1位 イタリアン・グレーハウンド 15.1 小型
2位 ミニチュア・ダックスフンド

プードル・トイ

14.7 小型
3位 柴犬 14.5 中型
4位 パピヨン 14.4 小型
5位 ジャック・ラッセル・テリア

ミックス犬(10kg未満)

14.3 小型

参考:犬種別の平均寿命を調査 | ニュースリリース | ペット保険の加入は「アニコム損害保険株式会社」

 

続いて、大きさ別の平均寿命を見ていきましょう。

「アニコム 家庭どうぶつ白書 2022」によると以下になります。

 

大型犬の平均寿命

大型犬といっても犬種によって違いがあるため、平均寿命が異なってきます。

ゴールデン・レトリーバー 10.9歳、

ラブラドール・レトリーバー 12.9歳

バーニーズ・マウンテン・ドッグ 8.7歳

 

犬の平均寿命は14.65歳ですから、大型犬は短命な傾向にあることがわかります。

 

中型犬の平均寿命

柴 14.8歳

フレンチ・ブルドッグ 11.1歳

ウェルシュ・コーギー・ペンブローク 12.5歳

ビーグル 13.5歳

ボーダー・コリー 12.9歳

 

犬の平均寿命は14.65歳ですから、柴は平均的ですが、ほかは大型犬同様はやや短命な傾向にあることがわかります。

 

小型犬の平均寿命

体重10kg未満ミックス犬 14.8歳

ミニチュア・ダックスフンド 14.8歳

ミニチュア・シュナウザー 13.6歳

シー・ズー 13.8歳

カニンヘン・ダックスフンド 15.0歳

ノーフォーク・テリア 12.2歳

 

小型犬は犬種によって12歳〜15歳と3歳程度の差がありますが、ほぼ平均的だといえます。

 

超小型犬の平均寿命

トイ・プードル 15.4歳

チワワ 13.8歳

ポメラニアン 13.8歳

マルチーズ 13.6歳

 

超小型犬の中でも特に長生きなのは15.3歳のトイ・プードルです。

 

犬の老化現象とは?

犬も人間と同じように以下のような老化現象が現れます。

 

・白髪が増えた

・ヒゲが白くなった

・ツヤがなくなってきた

・イボのようなものができた

・目が白っぽく見える

・口臭が出てきた

・目ヤニが増えた

・皮膚にハリがない

・抜け毛が増えた

・耳が遠くなってきた

・体重減少

・食欲低下

・便秘

・動きが鈍くなった

・ご飯を食べる時間が長くなった など

 

並べてみるとほぼ人間と同じですね。

 

ワンちゃんが7~8歳になるとシニア期に突入します。小型・中型では人間でいうと44歳~、大型犬は54歳ほどに該当します。その頃になると、徐々に老化現象が現れ始めます。「最近、目が白っぽい」「白髪が増えた」といったそれまでとは違ったことに飼い主さんも気づき始めます。

 

生き物は生まれてから死ぬまで、体内で何らかの変化を起こしています。成熟すればあとは衰退していくだけで、誰もこれを止めることはできません。

生きる長さは違っても、人間も犬も同じなのです。

 

老犬が立てない原因

「朝起きたら急に立てなくなっていた!」

老犬と暮らしていれば、いつ起きてもおかしくはありません。老犬が立てないのは、さまざまな原因によって引き起こされます。

 

ケガの可能性

骨折、脱臼、靭帯の損傷のほか、関節痛などにより痛くて立てないのかもしれません。

 

神経による病気の可能性

胴体が長い犬種に多く見られるヘルニアですが、老犬になってくると腰がしびれたり、麻痺が出てきて歩けなくなる犬もいます。

 

心臓や呼吸器の病気の可能性

心臓や呼吸器などの病気の場合は、どんな病気かを把握しなければ命に関わることもありますので獣医師に診てもらう必要があります。

 

加齢による筋肉の衰え

犬も年を取ると人間と同じように筋肉量が低下していきます。犬も人間と同じように老化は足からやってきます。

 

一般的には成犬体重が10kg未満は「小型犬」、25kg未満は「中型犬」、25kg以上は「大型犬」とされていますが、犬の場合は前脚で体重の6割、後ろ足で体重の4割を支えています。ですから、後ろ足のほうが筋肉が少ないため、加齢によって筋肉が衰えていくと後ろ足から少しずつ踏ん張れなくなっていきます。

 

犬も年を取ると寝る時間が増えていきます。寝る時間が増えると、当然運動量も少なく、基礎代謝も落ちていきます。そのため寝たきりになる急激に筋肉は衰えてしまい、結果、歩けなくなってしまうのです。

 

老犬が筋力が落ちるとどうなる?

筋力が落ちるのは老化現象のひとつですが、以下のようなことも見られないかをチェックしてください。

 

立ち上がるまで時間がかかる

立ち上がるまで時間がかかったり、ふらつきがでたり、立ち上がれなくなったりします。立ち上がるのがたいへんですから、トイレや喉の渇きを我慢するようになることもあります。動くとつらいので寝たままになると、よけい筋力が衰えてしまうという悪循環に陥ってしまいます。

 

血行が悪くなる

筋肉量が減ると血行が悪くなり、体が冷えやすくなったり、内臓機能が低下したりします。皮膚の状態が悪化しやすくなるため、床ずれリスクも高まります。

 

トイレの失敗が増える

足腰の筋力が衰えると、なかなか立ち上がれなくなり、トイレに行こうとしても間に合わい、体勢を維持できずに排泄物の上に尻もちをついてしまうなど、トイレの失敗が増えてきます。

 

食欲が低下することも

筋力が落ちると代謝量も減るため、食欲が落ちたり、食事する体勢がきつくなったりして、食事の態勢を維持すること自体難しくなってきます。食欲の低下は体力の低下につながるので注意が必要です。

 

寝たきりになる

老犬は立てなくなってから短期間のうちに寝たきりになってしまうことがあります。寝たきりになると愛犬のQOL(生活の質)は大きく低下してしまうのでできるだけ自力で生活できるよう早めにケアしてあげてください。

 

老犬の筋力アップトレーニング

足腰が弱ってきたら寝たきりにさせないためにも、日頃からかんたん筋力アップトレーニングを取り入れましょう。まず、朝起きたときと散歩の前にはストレッチです。筋力アップを図ることで転倒やケガの予防にもなります。

 

ストレッチの方法

足先からはじめて、上へと行っていくのがポイントです。

 

1.足の指を1本ずつゆっくりと上下5回ずつ動かしていきます

2.足先を曲げ伸ばしします

3.肉球の間を広げるように足裏をやさしくマッサージします

4.足首をそっと動かします

5.首からしっぽまで背骨に沿ってマッサージします

 

無理に曲げたり伸ばしたりしないことが大切です。がんばってトレーニングしようと意気込むのはいいですが、無理にやれば逆に壊れてしまうかもしれません。

筋肉をつけてムキムキになろうとジムに通っても、そう簡単にはつかないのと同じです。がんばりすぎると体を痛めてしまうだけ、これと同じです。相手は老犬ですから決して無理強いはしないことです。

 

芝生のお散歩

踏ん張る力が弱くなり、うまく立てなくなっても、芝の上なら歩けることがあります。柔らかく程よいクッション性がある芝生を散歩してみてください。芝生を歩くうちに筋肉がつく可能性があります。

 

坂道のお散歩

犬は後ろ足から弱ってきます。良いトレーニングになるのが、坂道のお散歩です。緩やかな上り坂なら後ろ足に適度な負荷がかかるので、無理のない範囲で上らせてみましょう。

 

立ち姿勢、おすわり、伏せ

立ち姿勢、おすわり、伏せを繰り返すだけでいいトレーニングになります。上手にできたら思いっきり褒めてあげてください。

 

スイミング

水の中は浮力があるので、体に負担をかけずに体を動かすことができます。水を怖がらないワンちゃんなら、最適です。必ず犬用ライフジャケットを着用しましょう。

 

散歩やトレーニングの前後はマッサージ

シニアになると、体が硬くなり、関節もこわばりやすくなっています。寝起きすぐではなく、十分に体が温まってきたら全身を優しくマッサージしてあげましょう。1日3分~5分程度行うようにしてください。ただし、嫌がったら止めましょう。

 

筋力アップトレーニングとお散歩の前後にマッサージを取り入れることで、以下の効果が期待できます。

・ケガ、転倒予防

・血行が良くなる

・可動域が拡がる

・散歩や筋力アップトレーニングの疲労回復作用

 

犬の毛の流れに沿って、手のひらで撫でる、円を描くなど、特別な方法はありません。関節がこわばっているようなら念入りにマッサージをして血行を良くしてあげましょう。中でも肉球は細かい脈管や神経が多く分布した皮膚です。衝撃吸収や触覚器官としての重要な役割を果たす敏感な部分なので、ぜひ丁寧にケアをしてあげてください。

 

まとめ

歳と共に犬も筋肉が弱ってきます。一度筋力が衰えて思うように体を動かせなくなったり、立てなくなったとしても、トレーニングをしているうちにまた筋肉がついて、元気に動けるようになることもあります。

 

犬の平均寿命は14.65歳ですが、犬種によりさまざま。立ち上がるまで時間がかかったり、トイレの失敗が増えるなどは老化現象のひとつ。寝たきりにさせないためにも、老化現象が見られる年になったら、筋力アップトレーニングのほか、散歩やトレーニングの前後のマッサージを行いましょう。足の筋力アップを図り、無理のない範囲で取り入れてみてください。