【老犬の食事】回数や食事量について計算目安も含め解説!

いぬどし
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老犬になったら食事内容を見直す必要があるのは知っているけれど、具体的に何をすればよいのか分からないと思っていませんか?

「最近フードを残すようになったから心配」

「まだまだ元気そうだけれどシニア用のフードに変えた方がいいのだろうか」

などの不安や悩みを抱えている飼い主さんは多いことでしょう。そんな時は、“愛犬にも飼い主にもストレスにならない食事”というポイントを押さえれば、それほど難しく考える必要はありません。

この記事では、老犬のライフステージについて紹介した上で、適切な回数や量などの老犬の食事で悩みがちなポイントや注意するべきことについて詳しく解説していきます。この記事を参考にして、老犬が健康に長生きできるように食事のサポートをしていきましょう。

 

老犬のシニアステージを知る

誕生日の犬のイラスト

犬それぞれで、ある程度の差はありますが一般的に小・中型犬では6~7歳から、大型犬では5~6歳からシニアと呼ばれるようになります。人間で言うと40歳を過ぎたころなので、少し早いように感じられるかもしれません。しかし、このころから少しずつ体に変化が起き始めるので、それに合わせて食事内容も見直す必要があるのです。

老犬のシニア期は、主に以下の3つに分類されます。 

・シニア初期

・シニア中期  

・シニア後期

 

このステージを目安にすると、より愛犬に合った食事を与えることができるでしょう。

 

シニア初期

日常生活にほぼ変化はなく、元気に走り回る犬も多く見られますが、代謝の低下など目に見えない体の内側で変化が起き始める時期です。そのため、今までと同じ量を与えているとカロリーが消費されずに肥満になる可能性があるので、愛犬の体重や様子を見ながら低カロリーの食事に変えていくと良いでしょう。

 

シニア中期  

日常生活の一部で補助が必要になり始める時期。散歩がゆっくりになったり、寝ている時間が増えたりといった老化のサインが見られます。また、内臓機能や味覚・嗅覚などの感覚機能も衰えて食欲にムラが出てくるかもしれません。そのため、食事の回数を増やすことを考える時期でもあります。

 

シニア後期

日常生活のあらゆる場面で介護が必要になる時期です。自力で食事や排せつができず、消化機能や代謝もかなり衰えている状態なので痩せてきます。よって、少しの量で効率よくエネルギーを摂取できる高たんぱく・高カロリーな食材を取り入れるようにしましょう。また、この時期の老犬にとって“食べない”ことを1番避ける必要があるので、回数や量は気にせず食欲があるときは、食べられるものを食べたいだけ与えるようにしてください。

 

老犬の食事で悩みがちなポイント

食事は老犬の健康に直結するので、愛犬に少しでも長生きしてもらいたい飼い主さんの頭を悩ませているポイントなのではないでしょうか?

そこでこの章では、飼い主さんのさまざまな悩みを解決するべく、1つずつ解説していきますね。

 

適切な食事の回数は?   

シニア期になる前の若い時は、1日2回の食事が一般的です。しかし、シニアになるとよく1日3~4回に増やすことがすすめられています。

これは、運動量が減ることによる食欲不振で1度に食べられる量が少なくなることや、胃液や膵液などの消化液の分泌量が減ることによる消化機能の低下でたくさん食べてしまうと食事をうまく消化できないことが主な理由です。なので食べムラが見られるようになったとか、お腹がゆるくなったなどの変化が無いのであれば、7歳になった(シニアになった)からといって食事の回数をすぐに変える必要はありません。

また、食事が2回の時は朝と夜にバランス良く与えられていたけれど、3回、4回になると、与える時間の感覚を一定にするのが難しくなると思う飼い主さんもいるのではないでしょうか?

例えば、朝6時に1回目の食事、昼12時に2回目の食事、夜18時に3回目の食事とできれば、6時間ごとの一定した間隔で食事を与えることができます。しかし、仕事で家にいない場合は昼12時の食事は不可能です。この場合は、朝6時、夜18時、寝る前のように愛犬にも飼い主さんにも負担にならない妥協点を探す必要があります。

つまり老犬の適切な食事の回数は、目安として1日3~4回がおすすめされていますが、自身の生活スタイルや愛犬の状態や食欲などから柔軟に変えていくのが望ましいです。食事の回数を増やす場合、体重が減らなければ1日のトータルの量は増やさないようにしましょう。

 

適切な食事の量は?  

ドッグフードの場合は、体重別に給餌量の目安が書いてあるので、最初はそれに従って与えます。その後、数週間から1カ月ぐらいで体重の増減があれば、それに従って量を調節するようにしましょう。

シニア初期の場合は太りやすい傾向があるので、体重増加が見られたらフードを減らすようにします。逆に、シニア後期では痩せやすくなるので、量は気にせず食べられるだけ食べさせるようにしてください。

このように、老犬の適切な食事の量は商品パッケージの表示だけに頼るのではなく、愛犬の体重の増減を定期的にチェックすることで変えていきましょう。

 

適切なシニア用への切り替えのタイミングや方法は?  

シニア初期のまだまだ元気なうちに、シニアになったからすぐにシニア用のフードに変えなければいけないと思うのは良くありません。なぜなら、本来持っている機能を早く衰えさせてしまう恐れがあるから。

大事なことなので何度も言いますが、愛犬の体重や様子に変化が見られてから切り替えを検討するようにしましょう。もしそのタイミングが難しい場合は、獣医師に相談してみてください。

では次に、フードを切り替える方法を紹介します。フードの切り替えで気をつけるべきことは、新しいフードに切り替えるときと同様に一気に替えてしまわずに徐々に切り替えるという事です。具体的には以下のような割合で、1~2週間かけて愛犬の便の状態を見ながら切り替えていきましょう。

1日目 今までのフード90%+シニア用フード10%

2日目 今までのフード80%+シニア用フード20%

3日目 今までのフード70%+シニア用フード30%

4日目 今までのフード60%+シニア用フード40%

5日目 今までのフード50%+シニア用フード50%

6日目 今までのフード40%+シニア用フード60%

7日目 今までのフード30%+シニア用フード70%

8日目 今までのフード20%+シニア用フード80%

9日目 今までのフード10%+シニア用フード90%

10日目 シニア用フード100%

 

便がゆるくなったり吐いたりした場合は、1日前の割合に戻します。このようにして、シニア用フードに完全に移行するのですが、愛犬の調子が改善しないときはアレルギーなどの疑いもあるので、獣医師に相談するようにしましょう。

 

取り入れた方が良い栄養素は?  

老犬だからこそ取り入れたい栄養素には次のようなものがあります。

・筋力をキープするための良質なタンパク質:鹿肉・イワシなど

・認知症予防や皮膚の健康維持のためのオメガ3脂肪酸:マグロ・亜麻仁油など

・老化を抑えるための抗酸化食品:サケ・ブロッコリーなど

・腸の健康を保つための食物繊維や発酵食品:りんご・きな粉・ヨーグルト・チーズなど

・関節ケアのためのコラーゲン、グルコサミン、コンドロイチン:手羽先・ハモ・わかめなど

 

愛犬の食事に上記の栄養素をバランスよく取り入れ、健康をサポートしましょう。ドッグフードだけで難しい場合は、サプリを活用したりフードに少しトッピングしたりすると良いですよ。

 

食べてくれない時は?

老犬が食事を食べてくれないのは、以下の理由が考えられます。

・活動量が減ったことによる食欲低下

・消化機能や基礎代謝の低下

・視覚・嗅覚・味覚の低下

・食べる力の低下

・歯周病などの口内トラブル

・好みの変化

・ストレス

 

シニア初期では、適度な運動で食欲をかきたて、フードは食べやすいようにお湯でふやかして匂いも強めましょう。日によって食べたいフードが変わることもあるので、何種類かストックしておくことをおすすめします。

何かと自力でできなくなることが増えるシニア後期では、穏やかにコミュニケーションをとりながらマッサージをすることでお互いにストレスをためないようにしましょう。フードは食べやすく消化に良い流動食にし、食事の補助をしてあげてください。

 

老犬の食事で特に注意したい3つのポイント

犬のオヤツのイラスト

上記では老犬の食事のお悩みについて解説してきましたが、老犬の健康のためにはいくつか気をつけるべきこともあります。この章では、知識がなければ愛犬の命にもかかわる重要なポイントを見ていきましょう。

 

水分補給  

犬の体の60~70%は水分でできており、そのうちの15%が失われれば命にかかわると言われています。年をとると水を飲む量が減ったり、寝たきりになって自力で水を飲めなかったりと、しっかり水分補給できている老犬は少ないかもしれません。

そのため、飼い主が注意して水を飲ませるようにする必要があります。水だけで飲まない犬に対しては、水にヨーグルトやはちみつを少し入れたり、フードをふやかすお湯の量を少し多めにしたりするのが効果的です。

自力で飲めない老犬の場合は、シリンジや洗浄びんなどを使って定期的に飲ませるようにしましょう。

 

食べるときの姿勢   

シニアになると、頭を下げた状態の姿勢をキープする筋力や食べ物を飲み込むための筋力も落ちてきます。シニア初期や中期の自力で食べられる犬には、食器台を活用して食べるときの高さを調節したり、クッションなどを使って食べる姿勢を維持したりしましょう。

自力で食べられないシニア後期の老犬の食事で最も注意すべきなのは、フードがのどに詰まったり、気管に入ったりしないようにすることです。のどに詰まると窒息の恐れもありますし、気管に入ると誤嚥性肺炎になり命にかかわることもあります。

そこで、シリンジなどで食事の補助を行うときは、まず老犬の上半身を起こし、体よりも頭を高くしてください。この時、顎だけを上に向けると気管に入りやすくなるのでやめましょう。シリンジは口の横から入れ、老犬が飲み込んでいるのを確認しながら焦らずゆっくり与えるようにします。

 

病気  

フードを食べない、または食事をとっているのに急激に体重が落ちた場合は、何らかの病気の可能性が考えられます。その変化に気づくためにも定期的に体重測定をし、何か異変があればすぐに動物病院を受診するようにしましょう。

また、認知症によってフードを何度も催促される場合があります。この場合は食べる量が増えても太りにくいそうですが、食べさせ過ぎは体に負担がかかるので良くありません。そのため、1日のトータルの量はそれほど変えずに食事の回数を増やして、食欲を満たしてあげると良いでしょう。

 

まとめ:老犬の食事で重要視するべきは「回数」ではなく「愛犬と飼い主のストレスにならない」こと

この記事を読んだあなたは、老犬の食事において「この方法が1番いい」とか「絶対にこうしなければならない」といった基準がないということが分かったかと思います。

何より大事なのは愛犬のに合った食事。それは、愛犬の少しの変化も見逃さない観察と飼い主さんの試行錯誤の繰り返しによって生まれるものです。

しかし、愛犬のことを優先しすぎて、飼い主さん自身に負担がかかっては元も子もありません。老犬の健康のためには、飼い主さんも心身ともに健康でいることが不可欠です。どうしても介護が難しい場合や息抜きが必要だと思ったときは、老犬ホームやペットホテルの利用も考えてみてください。

 “愛犬にも飼い主にもストレスにならない食事”を心がけて、穏やかに1日でも長く老犬と暮らせるようにしましょう。