私たちが家族として愛情深く育ててきたペットが亡くなる時、それは何とも言えない悲しみとともに、どのように最後の別れを告げればよいのか迷う瞬間でもあります。
一般的な家族の一員として、私たちのペットもまた、適切な葬儀と供養が必要です。
この記事では、「ペット葬儀」について詳しく解説します。
ペット葬儀とは具体的に何を指すのか、その流れや注意すべきマナーはどのようなものなのか、そして気になる費用はどの程度かかるのかといった疑問を解決します。
葬儀の形式から選び方、費用の相場まで、実際の具体例を交えてわかりやすく説明します。
・これからペット葬儀を考えている方
・ペットを飼い始めたばかりでこれからのことを考えている方
・ペットの最期について正しい知識を身につけたい全ての方々へ
これらの人々にとって、この記事が一助となることを願っています。
目次
ペット葬儀とは?
ペットの葬儀とは、私たちが家族として愛したペットに対して、最後の別れを告げ、その生涯を偲び、敬意を表す儀式のことを指します。これは私たち人間がペットに対して感じる愛情や責任感から生じる自然な行為と言えます。
私たちは、ペットという存在がただの動物でなく、一緒に生活を共有し、喜びや悲しみを共有した家族の一員であると認識しています。そのため、その命が終わるときには、人間の家族に対して行われるような、敬意を表す葬儀を行うことが望ましいと考えられています。
ペットの供養は火葬が7割以上
飼っていたペットが亡くなったらどうしているのか?
その供養の方法に関して、イオンペット株式会社の調査アンケートによると、約7割以上が火葬を行っているようです。
ペット霊園や移動火葬車など、ペットの葬儀の形式は様々ですが、何らかの形でペット葬を行っている飼い主が多いことがわかります。
近年では、ペットに対する家族意識の高まりもあり、ペット葬儀はより注目度が上がっています。
ペット葬儀の種類
ペットの葬儀は、さまざまな種類が存在します。これは、ペットとその飼い主との間の関係の深さや、飼い主の信仰、価値観、財政的な状況などによって異なります。
ここでは、一般的に選択されるペット葬の形式について、大きく2種類に分けて解説します。
個別葬儀
個別葬儀とは、その名の通り、一匹のペットに対して行われる専門的な葬儀サービスを指します。
この形式は、ペット一匹一匹に焦点を当て、その生涯を尊び、その死を深く悼むことを目的としています。個々のペットは、我々にとって家族であり、唯一無二の存在です。そのため、その存在と生涯を尊重するために、個別葬儀はその重要性を増しています。
個別葬儀は、ほとんど人間の葬儀と同様の進行が行われると言えるでしょう。
出棺から火葬、そしてお骨拾いまで、私たちが一般的な葬儀で経験するプロセスがほぼそのまま行われます。その中には、特定のペットに対して弔うための仏事、例えばお経の読経なども含まれます。これにより、ペットが享受した生活やその存在自体を尊び、適切にその死を悼むことが可能となります。
また、いくつかの葬儀社では、移動火葬車という特殊なサービスを提供しています。
これは火葬炉を備えた専用車で、これにより飼い主の希望する場所で葬儀を行うことが可能になります。自宅やペットが最後に過ごした場所など、ペットにとって意味深い場所でその生涯を閉じることができるのです。
個別葬儀は一匹のペットに対して丁寧な段取りが行われます。そのため、費用は合同葬儀と比べると一般的には高くなります。しかし、その費用は愛するペットへの最後の敬意として、またその存在を讃えるためのものと言えるでしょう。
合同葬儀
合同葬儀とは、一般的には複数のペットが一緒に葬られる形式の葬儀を指します。
これは、それぞれのペットが個々に認識される個別葬儀とは対照的に、一括での葬儀となります。個々のペットの特性や歴史を詳細に弔うことは難しいかもしれませんが、合同葬儀は他の形式と比較して様々な利点を持っています。
合同葬儀が選ばれる主な理由の一つは、葬儀にかかる費用を抑えることができるという点です。
特に、複数のペットを飼っていたり、ペットの死が重なった場合、一度に複数のペットの葬儀を行うことで葬儀全体の費用を大きく抑えることが可能になります。このような観点から、費用面での制約や、多数のペットを飼っている場合などに選択されることが多いのです。
ただし、合同葬儀ではいくつかの特有の制約も存在します。その一つが、火葬後の遺骨についてです。合同葬儀による火葬では、多数のペットの遺骨が混ざり合うため、遺骨の持ち帰りや個別の納骨などは基本的には行えません。その代わり、ペットたちは共同の墓地にそのまま埋葬され、一緒に過ごした他のペットたちとともにその場所で休むことになることが一般的です。
この点は、ペットへの葬儀の形式を選ぶ際に考慮すべき要素の一つと言えるでしょう。
ペット葬儀のマナー
ペットの葬儀にも、人間の葬儀と同じように、尊重と敬意を示すためのマナーが存在します。
具体的には、葬儀中の態度や振る舞い、また、葬儀に適した服装を選び、場の雰囲気を壊さないようにすることが求められます。
しかし、ペット葬儀自体が最近に広まったものであることから、マナーが確立されていないという一面もあります。
ここでは特に、気になる服装に関して詳しく見ていきましょう。
基本的にはペット葬儀の服装は平服でOK
場合によりけりではありますが、基本的にはペット葬儀は普段着で大丈夫です。
自宅葬の場合でも、ペット霊園で行う場合でも同様です。喪服をしっかり着てくる人はあまり見られないようです。
しかし、最低限のマナーとして、以下の点には気を付けるようにしましょう。
・動物性の素材を使った服は避ける
・派手な化粧やアクセサリーは避ける
・強い香りの香水は避ける
全体的な一般常識として、服装はシンプルで控えめなものであり、飼い主や他の参列者に対する敬意を示すことの妨げにならなければ問題ないでしょう。
ペット葬儀の流れ
ペット葬儀の流れは以下の手順になります。
- 死亡の確認
- 身体を清め、ご遺体を安置する
- 葬儀会社へ連絡し、希望に合った葬儀を行う
- 火葬
- 遺骨を収骨する
- 埋葬または遺骨を持ち帰る
ペット葬儀の費用
ペットの葬儀にかかる費用は、その形式や規模、サービス内容などにより大きく変わることがあります。これは、ペットの葬儀が個々の飼い主のニーズや希望に合わせてカスタマイズ可能であるためです。
基本的な葬儀の費用は、葬儀の形式(一般葬儀、合同葬儀など)、ペットの大きさや種類、選ぶ棺、火葬場の使用料、お骨上げや供養の方法など、さまざまな要素によって決まります。また、追加でお花を供えたり、追悼ビデオを作成したりするサービスを利用すると、さらに費用が加算されます。
個別葬儀の場合の費用
個別火葬の場合、一般的な価格帯は20,000円から68,000円で、合同葬儀よりも費用がかかります。
個別一任の形式か、立ち合いの形式かによっても金額が変わります。
最上級の供養を行う立ち合い式の個別火葬は、ペット葬儀の中で最も高価な範囲に属します。出棺から骨拾い、そして納骨までの全プロセスに立ち会うことが可能なため、心からのお別れを告げる時間を持つことができます。また、飼い主自身が立ち会うことで、返骨も実現します。
あなたの大切なペットへの敬意を最大限に示したい、または家族や友人と共にペットとの最後の時間を過ごしたい場合、個別火葬に立ち会う形式が適しています。
合同葬儀の場合の費用
合同葬儀はコストを最も効率的に抑えられる方法とされています。
火葬の価格は、ペット霊園や火葬施設によりますが、通常9,000円から45,000円程度が目安となります。一方、一部の施設では費用が60,000円以上になることもあります。
合同火葬の特性上、同時に複数のペットが火葬され、遺骨の判別ができないため、返骨は行われません。ペットの遺骨は、火葬施設で処置され、一緒に霊園に埋葬されます。
仏壇がないため遺骨を自宅に持ち帰ることができない状況や、家族で自宅供養が難しい場合には、この合同火葬はコストを節約しながら適切な供養ができる選択となり得ます。
まとめ:愛犬にとって最適な供養ができるペット葬儀を選ぼう
私たちのペットは、家族の一員であり、その命の終わりに優しい供養をすることは、私たちにとって自然な感情であり、深い敬意の表現となります。しかし、その方法は一様ではなく、家族の希望や状況に応じて最も適した形式を選ぶことが大切です。
合同火葬は、複数のペットを一緒に火葬する形式で、返骨はありませんが、費用を抑えられる利点があります。一方、立ち会い個別火葬では、出棺からお骨上げ、納骨までの全てのプロセスに立ち会うことができ、最も高いレベルの供養となりますが、それに伴い高価となります。
それぞれの形式には長所と短所があります。大切なことは、自分たちの状況や希望に最も合った方法を選ぶことです。愛犬のために最適な供養を考え、適切なペット葬儀を選ぶことで、愛犬の命を大切にし、尊重することができます。
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