「舌を出してゼーゼーしている」
「その場から動かなくなった」
小型犬がそんな様子を見せたら、散歩しすぎサインかもしれません。散歩は愛犬にとって必要不可欠なものですが、だからといって運動のしすぎは、逆にリスクが生じてしまいます。
今回は犬の散歩が必要な3つの理由、小型犬が出す散歩しすぎサイン、大きさによる運動量の目安もまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
犬の散歩が必要な3つの理由
室内犬だから散歩は不要ということはありません。
人気のトイプードルやチワワ、ダックスフンドなどの室内犬でももちろん散歩は必要です。
散歩は人間にとって運動不足の解消、生活習慣病の予防などのメリットがあります。では、犬にとっての散歩はどのような意味があるのでしょうか。実は犬にとっても人間と同じような効果があるのです。以下の3つの理由から散歩が必要なのです。
・運動不足の解消
・ストレス解消
・コミュニケーションの構築
それぞれを詳しく見ていきましょう。
運動不足の解消
人間と同様、運動不足は犬にとっても病気のリスクを高める原因となります。
散歩は外で走ったり、階段を上ったり、公園を歩いたりすることで、犬にとっても良い運動になります。特に肥満気味の犬にとっては必要不可欠です。肥満になると糖尿病などの病気になったり、筋肉が衰えれば足が弱ってきます。
部屋の中で走っているから十分に運動していると思われるかもしれませんが、室内での運動だけでは、運動量が足らずに運動不足になることがあります。アスファルトや土を肉球を使って歩けば、家の中の感触とは全く違いますし、階段をダッシュすればそこに刺激も加わります。
このように、犬にとって適度な運動は重要なのです。
ストレス解消
室内にずっといれば、犬も人間と同じように外の空気を吸いたくなるものです。広々とした公園で吸う空気と窓から顔を出して吸う空気は、同じものでも感じ方が全く違います。
家の中にこもっていると犬も退屈してストレスを抱えます。
外に出れば、道路脇には草が生えていますし、虫もいるでしょう。匂いを嗅いだり、舐めてみたりと大忙しです。いつも行く公園の前には近所の犬もいて、お尻の臭いを嗅いだり、鼻をつけて匂いを嗅いであいさつもします。
そんな何気ないことが、ワンちゃんにとっての楽しみですし、同時に気分転換になるのです。
コミュニケーションの構築
話しかけながらの散歩は、飼い主さんとのコミュニケーションの幅を広げる大切な時間です。家にいると、愛犬に向き合う時間は限られてしまいます。
ですが、散歩しているときは愛犬とふたりだけ。愛犬にとっても大好きな飼い主さんを独占できる時間なのです。
さらに近所の犬とすれ違ったり、公園で知り合いの犬と一緒に走ったりすることは犬にとって社会性を学ぶ時間です。仲間がいることを学び、そこでどう行動すればいいのかということも知る時間なのです。
散歩を愛犬と共に過ごすことで、コミュニケーションがより深められるのです。
小型犬の適切な散歩量とは?
まず、小型犬の適切な散歩量とはどのくらいなのでしょうか。
体力のある大きなワンちゃんなら散歩も長そうですが、小さなワンちゃんは短くても良さそうです。果たしてそうなのでしょうか。
実は、適切な散歩量はワンちゃんの体の大きさや犬種によって異なります。
犬種
体の大きさが違うと、当然、その分体力も違ってきます。
小型犬:1日1回15~30分程度
大型犬:1日2回1時間~1時間半程度
上記は大まかな目安ですが、だからといって小型犬なら1回15~30分程度でいいのではありません。犬種によっても適切な散歩量が異なります。
愛犬の犬種は、平均でどのくらいの散歩量が必要なのかを調べるといいでしょう。
1回40分~60分程度
・トイプードル
・ミニチュアダックスフンド
・ジャックラッセルテリア
・コーギー
・ミニチュアシュナウザー
・柴犬
など
1回20~30分程度
・チワワ
・シーズー
・パグ
・ペキニーズ
・ポメラニアン
など
ただし、成犬でも体重が4キロ以下の場合は、骨や関節もデリケートにできています。負荷がかかり過ぎないように気を付けて調整するのがおすすめです。
年齢
1歳〜6歳の成犬は運動量が多いですが、子犬や老犬は無理に長く散歩してしまうと、足腰に負担がかかり、ヘルニアを発症する恐れがあるので注意が必要です。
特に老犬は、立つのもやっとだと散歩は困難です。その場合はカートに乗せる、抱っこするなど体調を見ながら散歩に連れ出してあげましょう。
小型犬が見せる散歩しすぎサインとは?
いくら犬でも全力疾走したり、長時間散歩をすれば当然疲れます。以下のような仕草やサインを見せたら疲れている証拠ですから、次回は散歩量を調節する必要があります。犬は表情が豊かなので、顔を見ればわかりやすいのが特徴です。
・ゆっくり歩く
・座り込む
・元気がない顔になる
・あくびをする
・呼吸が荒い
ゆっくり歩く
人間も歩き疲れると足が重くなり、歩こうと思っても足が前になかなか出なくなります。犬も同じで歩く速度がゆっくりになります。
座り込む
疲れ過ぎると「もう、歩けません」とばかりに、ペタッと座り込んだり、伏せてしまいます。それ以上歩くのを拒否します。
元気がない顔になる
元気がない顔になり、遠くをボーッと虚ろな目で見ていたりします。
あくびをする
人間も疲れると生あくびを連発しますが、犬も同じであくびをします。ちなみに、あくびは不足した酸素を取り入れようとする生理現象のひとつです。
呼吸が荒い
舌を出してハアハアして、呼吸が荒くなります。犬は呼吸によって体温を調節するので、体に溜まった熱を頑張って放出しようとしているのです。
散歩しすぎサインを見せたときの対処法
愛犬が散歩しすぎサインを見せた場合は、どう対処すればいいのでしょうか。
座り込んで、あくびをしながら遠くを見つめるなど、散歩しすぎサインを出したら、まずは「散歩を止めて体を休ませる」ことです。
夏、暑い日なら、木陰や物陰など少しでも涼しい場所でワンちゃんを休ませます。暑さでバテてしまっているのかもしれません。アイスノンなどで首を冷やしたり、冷却効果のあるTシャツを着せるのも手です。
単に猛ダッシュして疲れてしまったのなら、しばらく休めば体力も回復するでしょう。その点、小型犬なら抱きかかえて帰宅することもできます。
老犬や、室内犬で散歩に慣れていないワンちゃんの場合、外に出ただけで一気に疲れてしまうこともあります。呼吸が荒いようなら、休憩が必要なサインですから、そのまましばらく休ませてあげましょう。
散歩をするときの注意点
愛犬と散歩を楽しむためには、飼い主さんもしっかりとマナーやしつけを意識する必要があります。では、どんなことに注意すればいいのでしょうか。
たとえ、家の中ではおとなしくても、外に出るといつもとは違った顔を見せることもあります。事故やトラブルがないよう注意を払ってください。
必ずリードを付けること
散歩させる時は、必ずリードを付けるようにしましょう。十分にしつけられていればリードは不要ではありません。どんなに人に慣れていても、十分にしつけられていても、リードなしでは散歩途中ですれ違う人を怖がらせてしまう恐れもあります。周囲を安心させるためにもリードは必要です。
リードは短めに持つこと
リードは長くしている、通りすがりの人の足に絡まったり、自転車をひっかける恐れがあります。人が通る場所では、リードを短めに持つことが大切なマナーです。
飛びつかせないこと
散歩途中で通りすがりの人に飛びついたり、吼えることがあります。しかし、相手が犬好きならいいでしょうが、嫌いだった場合はたいへんです。相手の服を汚したり、怪我をさせたりする可能性があるので、飛びつかない、吼えさせないようにすることが大切です。
お散歩用バッグを用意すること
お散歩時には必ず持って行くものを入れたバッグを用意しておくと便利です。
マナー袋…うんち回収ゴミ袋です。
トイレットペーパー…うんち回収用。ティッシュだと流せませんが、トイレットペーパーなら帰宅してそのまま流せます。
ウェットティッシュ…うんちをしたときお尻を拭くために用意します。
水…おしっこをしたときに流すための水。ペットボトルだと軽くて便利です。
飲み水と水飲み用の器…犬ものどが渇くので必ず用意を。
フードやおやつ…お散歩中のトレーニングに最適です。ただし、あげすぎるとカロリーオーバーになるので注意しましょう。
散歩後のケア
散歩から戻ったら、その後はしっかりとケアをしてあげることも大切です。
肉球の手入れ
肉球は、温度や痛みを感じやすい敏感な部分です。夏場は高温になるアスファルトを歩くと火傷してしまうこともあります。
お散歩から帰ってきたら、すぐ肉球をチェックしましょう。プラスチックの破片や木片などが刺さっていることもあるのでまずは目で確認します。触って痛がらないか、腫れていないかも一緒に確認するのも必要です。
あとは濡れタオルで汚れをきれいに拭き取ります。そのままにせず、乾いたタオルで水分をしっかり拭き取って上げましょう。塗れたままだと皮膚が蒸れて菌が発生してしまうことがあるためです。
ブラッシング
外で付着した汚れは、ブラッシングで落とせます。ノミやダニのほか、ゴミが毛の中に入り込んでいるため、丁寧にブラッシングをしてあげましょう。
まとめ
小型犬といっても犬種によって必要な運動量は違います。散歩の時間や距離が短すぎれば運動不足になりますし、反対に運動のしすぎは疲れすぎてしまうことにもなりかねません。
以下のようなしぐさを見せたら、散歩しすぎサインかもしれません。
・ゆっくり歩くようになる
・座り込む
・元気がない顔になる
・あくびをする
・呼吸が荒い
散歩は運動不足やストレス解消のためにも必要です。しかし、愛犬が散歩しすぎサインを見せたら散歩を止めて休ませてあげるようにしてください。散歩後は愛犬のケアを忘れずに行いましょう。
愛犬の年齢や当日の体調を見て無理なく愛犬と散歩を楽しんでください。
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