老犬あるある9選!それぞれの注意点や介護のコツも解説!

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「年をとったせいかしら?」

「これってうちの子だけ?」

高齢の犬を飼っている飼い主さんは、老犬の見た目や行動に対してこんな疑問を抱えていませんか?特に初めて老犬をお世話する飼い主さんは、若いときとのギャップや変化に戸惑い、悩むことが多々あるでしょう。

しかし、犬の老いに関する知識を持っていれば、悩みも老犬ならではの魅力としてとらえることができるかもしれません。

そこでこの記事では、注意点や介護のコツもふまえながら、“老犬あるある”を9つ紹介します。

 

5つのカテゴリーにおける老犬の変化

“老犬あるある”とは、ほとんどの犬で年をとってから見られるようになる変化のこと。この記事では、老犬の変化を以下の5つのカテゴリーに分類して解説します。

・見た目

・性格

・行動

・食事

・排せつ

 

老いは誰にも止められないので、ある程度は“老犬あるある”を受け入れる必要があります。しかし、老犬の変化が飼い主さんや老犬にとって悪い影響を及ぼす場合は、飼い主さんの不安や悩みの原因になってしまうでしょう。

そのため、次の章からは“老犬あるある”ごとに注意するべきことや介護のコツについても解説します。

 

1.  顔が優しくなる【見た目】

年をとると、人間と同じように皮膚がたるむことで、若い時のきりっとした表情から優しい表情に変わってきます。なかには、目の上の皮膚がたるむことで、いつも困ったようなかわいい顔になる老犬も。穏やかな愛犬の表情を見ていると、こちらも自然と笑顔になります。

 

注意点

老いによる上記のような表情の変化は、心配する必要はありません。ただし、焦点が合わずに遠くをぼーっと見つめるような表情をしている場合は、認知症の可能性も考えられます。

ほかにも、同じ場所をグルグル回る、夜鳴きするといった症状が現われたら、1度病院を受診しましょう。特に、柴犬や秋田犬といった日本犬や日本犬系の雑種において、認知症の発症が多いとされているので、飼い主さんは要注意です。

 

介護のコツ

認知症の進行スピードを緩やかにするには、脳に刺激を与えることが大切。散歩ではお散歩コースを毎日変えたり、室内で遊ぶときは知育トイを使ったりして、脳を活性化させる工夫をしましょう。

 

2.白い毛が増える【見た目】

もともと白い毛の犬は分かりにくいかもしれませんが、人間の白髪のように年齢を重ねるごとに犬も白い毛が増えてきます。特に、顔周りの毛が白くなりやすいです。

 

注意点

白い毛が増えることは問題ありませんが、目が白くなる白内障には注意が必要です。目の色の変化だけでなく、ものにぶつかるとか散歩に行きたがらないなどの変化が見られた場合は、病院で検査しましょう。

特に、以下の犬種は遺伝的に白内障を発症しやすいとされています。

・トイ・プードル

・マルチーズ

・ビーグル

・ミニチュア・シュナウザー

・ボストン・テリア

 

介護のコツ

白内障によって目が見えなくなった老犬に対して、飼い主さんがするべきことは、ケガの防止と心のケアです。

ケガの防止には、老犬が移動できるスペースをクッションで囲んだり、床にマットを敷いたりするとよいでしょう。

心のケアとしては、体をなでたり抱っこしたりすることで不安にさせないようにしたり、驚かせないように声をかけてから体に触れたりといった方法が有効です。

 

3.寂しがりになる【性格】

老犬になると、感覚器の衰えから攻撃的になる犬もいますが、不安やストレスを感じやすくなることで寂しがりになる犬もいます。これは「分離不安」とも呼ばれ、問題行動を起こす場合があります。

 

注意点

「分離不安」によって、問題行動をしてしまうぐらい強いストレスを感じている場合は、早急な対応が必要です。例えば犬だけで留守番をさせると、吠え続けたり、ものを破壊したりといった行動が見られます。

また、分離不安ではなく病気による痛みや不安のために、飼い主さんと離れたくない可能性もあるため、異変を感じたら獣医師に相談することをおすすめします。

 

介護のコツ

1番愛犬のストレスが少ない分離不安の対処法は、犬と離れる機会を減らすことです。ただ、仕事や買い物などでなかなか実践できない人もいるでしょう。そこでほかの対処法としては、音楽やテレビをつけたままにする、トレーニングをするといった方法があります。

また、分離不安の老犬に注意したいのが、怒らないこと。留守番中にトイレを失敗していても、部屋をぐちゃぐちゃにしていても愛犬を叱らないでください。寂しさを感じている老犬に対しては、穏やかな気持ちで接しましょう。

 

4. 寝ている時間が長くなる【行動】

もともと犬はよく寝る動物ですが、年をとると体力の衰えによって、さらに寝ている時間が長くなります。具体的に、老犬の平均睡眠時間は1日18時間程度ともいわれています。

 

注意点

老犬が長時間寝ていることに関しては特に問題ありませんが、愛犬が気持ちよさそうにしているからといって昼間寝たままにすると、昼夜逆転の生活になってしまうかもしれません。そうなると、飼い主さんのストレスになることも。

また、長時間寝ている理由が老化ではなく、病気の場合は注意が必要です。苦しそうではないか、痛そうではないか、愛犬が寝ている姿を定期的に観察しましょう。

 

介護のコツ

老犬の寝ている時間が長いことで、散歩をしない日や食事を抜く日が続くと、老犬の健康にとって良くありません。気持ちよさそうに寝ている愛犬を起こすのは心苦しいかもしれませんが、しっかり食事と散歩の時間は確保して、寝る時間が長くなったなりに規則正しい生活を心がけてください。

 

5. 狭いところに挟まる【行動】

老犬が狭いところに挟まる理由は、次の2つです。

・安心するから

・認知症によって、バッグできなくなっているから

 

注意点

老犬が狭まる場所によっては、コードが足に引っかかったり、物が落ちてきたりと危険が伴うので注意が必要です。

また、自力で出られるけれど安心するからという理由で狭いところにいる場合は問題ありませんが、認知症によって自力で後退できずにいる場合は飼い主さんが助ける必要があります。

 

介護のコツ

目を離したすきに、思いもよらない場所に老犬が挟まる状況は防ぎたいもの。家具の隙間にクッションや障害物を置いたり、老犬の移動できるスペースを安全な場所だけに制限したりすることをおすすめします。

 

6.「食べムラ」がひどくなる【食事】

老犬の食事の悩みで1番多いのが、「食べムラ」ではないでしょうか? 若いころはなんでも食べていた犬が、突然食べなくなることも珍しくありません。

 

注意点

老犬の「食べムラ」の理由はさまざまですが、老化によるものであれば飼い主さん次第で対処できます。ただし、病気が原因であれば早急な治療が必要です。「食べムラ」以外にも、以下のような症状が見られた場合は、速やかに動物病院を受診してください。

・下痢

・血便

・元気喪失

・多飲多尿

・急激な体重減少

 

介護のコツ

老化による「食べムラ」に対しては、次のような対処法が考えられます。

・食欲低下→散歩、知育トイ、匂いの強いものをトッピング

・消化機能の低下→老犬用フードへの変更、食事の量や回数を見直す

・筋力の低下→食事台の利用、フードをふやかす

 

7.痩せる【食事】

年をとると、若いころの半分の体重になってしまうことも珍しくありません。それは、筋肉量の低下や消化機能の衰えによって食事から栄養を十分に吸収できていないことなどが原因です。

老犬の体重減少はある程度仕方のないことですが、定期的に体重を測定したり背骨や肋骨を触って脂肪のつき具合を確認したりしましょう。

 

注意点

病気が原因で痩せている場合は要注意です。急激に痩せる、食欲旺盛なのに体重が減少するといった、飼い主さんが比較的気づきやすい病気もあります。しかし、緩やかに体重が減るものもあるため、異変のサインを見逃さないことが重要です。

また、病気でなくても、痩せすぎは老化を速める可能性があるため注意したいもの。健康寿命を伸ばすためにも、愛犬の適正体重を知るところから始めましょう。

 

介護のコツ

痩せている老犬は、冷えに注意です。体温の低下は、免疫力低下にもつながるので、服や腹巻などをうまく利用しましょう。

特に、寝たきりの犬は床ずれに注意が必要です。食事による体重増加も行いながら、クッションや耐圧分散マットなどを活用して床ずれを防止しましょう。

 

8.トイレの失敗が増える【排せつ】

トイレの失敗が増えるのも、“老犬あるある”の1つ。この主な原因は、筋力の低下によって尿意や便意を我慢できなくなることです。そのため、外でしかトイレしなかった犬も室内で粗相をしてしまう場合もあります。

 

注意点

トイレを失敗する原因が病気の場合は、治療によって改善する可能性があります。老化のせいにして放置するのではなく、トイレの失敗が2、3回続いたときは、獣医師に相談しましょう。

また、子犬のトイレトレーニングと同様に、トイレの失敗を叱らないことも重要です。何度も続くとイライラしてしまうかもしれませんが、冷静に処理してください。

 

介護のコツ

トイレの失敗が増えてきた老犬に対して、飼い主さんができることはたくさんあります。ここでは、失敗の原因別にいくつか対処法を紹介します。

・トイレに間に合わない→トイレの場所を移動する、トイレの数を増やす

・トイレには行けているものの失敗する→トイレを大きくする、トイレシートで滑らないようにする

・外でしかトイレしない→定期的に外に連れ出す、オムツをつける

 

9.オムツが脱げる【排せつ】

 

トイレの失敗が増えてきた老犬に対して、飼い主さんが簡単にできる最も有効な方法が、老犬にオムツを履かせることです。ただ、その際飼い主さんを悩ませるのが、オムツが脱げる問題。オムツが脱げると、せっかくオムツを履かせていても尿や便が漏れてしまうこともあります。特に、動き回る犬やしっぽが短い犬はオムツが脱げやすいです。

 

注意点

オムツは、愛犬に合ったサイズを選ぶのが基本。オムツが脱げるからといって、小さいサイズを履かせたり、きつく締め付けたりすると足の血行が悪くなるのでよくありません。

ちなみに、オムツにおしっこをした後オムツが濡れている状態が嫌なのか、自力でオムツを外す犬もいます。衛生面からいっても、オムツはこまめに替えましょう。

 

介護のコツ

以下のグッズを使えば、ある程度オムツが脱げるのを防ぐことができます。まだ利用したことがない人は、1度試してみてください。

・サスペンダー

・オムツカバー

・マナーベルト

・介護服

 

まとめ:老犬あるあるを理解したうえで、老犬と楽しく暮らそう

この記事では、注意点や介護のコツもふまえながら、“老犬あるある”を9つ紹介しました。

話せない老犬の介護はとても大変です。しかし、“老犬あるある”を知っていれば、老犬の変化や今の状態を当たり前に受け入れて、適切なお世話ができるようになるのではないでしょうか。

この記事で紹介した、注意点や介護のコツも参考にしながら、老犬との日々を楽しく暮らしていきましょう。