愛犬がいるご家庭では、彼らの安全が何よりも優先されます。
しかし、美しい花や観葉植物が、思わぬ危険を秘めていることをご存知ですか?
犬にとって、一部の植物は重大な健康リスクをもたらす可能性があります。
本記事では、犬に有害な植物の種類、それらがどのように犬の健康に影響を与えるのか、そして、どのような植物なら犬と共に安心して生活できるのかについて、詳しく解説します。
あなたの愛犬が安全で幸せな生活を送れるよう、この重要な情報をぜひお読みください。美しい緑の中で、ペットと共に健やかな毎日を過ごしましょう。
目次
犬にとって危険な植物
まずは、一般的に犬にとって危険な可能性がある植物を一覧でお伝えします。
犬種や犬の状態によって症状や反応が異なるため、愛犬の様子が明らかにおかしい場合には獣医師や専門家と相談することをお勧めします。
植物名 | 有害部分 | 症状 |
---|---|---|
ユリ | 花、葉、花粉、水 | 腎不全 |
アジサイ | 花、葉、茎 | 胃腸の問題、呼吸困難 |
オレアンダー | 花、葉、茎 | 心臓疾患 |
シクラメン | 根 | 胃腸の炎症、重篤な中毒 |
ジャスミン | 花、葉、茎 | 消化器官の刺激、神経系への影響 |
キャスタービーン | 花、葉、茎 | 致命的な中毒 |
チューリップ | 球根 | 口腔の刺激、心臓への問題 |
スイセン | 球根 | 嘔吐、下痢、胃腸炎、心不全 |
スズラン | 全草、切り花の水 | 嘔吐、下痢、腹痛、心不全 |
クリスマスローズ | 全草、特に根 | 口腔の灼熱感、腹痛、胃炎、嘔吐、下痢、心臓麻痺 |
ツツジ科全般(セイヨウツツジ、アセビ、アザレア、シャクナゲ等) | 葉、根皮、蜜 | 口腔の灼熱感、よだれ、嘔吐、下痢、徐脈、中枢神経の抑制、不整脈、血圧低下 |
オシロイバナ | 根、茎、種子 | 皮膚や粘膜への刺激、嘔吐、下痢、腹痛 |
ポインセチア | 樹液、葉 | 嘔吐、下痢、皮膚炎、口腔の灼熱感 |
ディフェンバキア | 茎 | 皮膚のかぶれ、結膜炎、口腔内の腫れ、激痛 |
アイビー | 葉、果実 | 嘔吐、下痢、口の渇き、よだれ、皮膚への刺激 |
モンステラ | 葉 | 皮膚のかぶれ、口腔の灼熱感、よだれ |
紹介した植物以外でも中毒症状を起こす植物がありますので、中毒症状が疑われる場合は、早急に動物病院に相談しましょう。
犬が食べてはいけない花
ここではさらに、犬が食べてはいけない花について詳しく見ていきます。
植物 | 危険性の理由と詳細な解説 |
---|---|
ユリ | ユリの花、葉、花粉、さらに水も犬にとって非常に毒性が強く、少量を摂取するだけで急性腎不全を引き起こすリスクがある。犬がユリに触れた場合、直ちに獣医師の診察を受ける必要がある。 |
アジサイ | アジサイに含まれるシアニドを含む化合物は、犬にとって毒性があり、摂取すると胃腸の問題や呼吸困難を引き起こす可能性がある。これはアジサイの花や葉に含まれている。 |
オレアンダー | オレアンダーに含まれる心毒性の化合物は、犬に摂取されると心臓疾患を引き起こし、最悪の場合、死に至ることもある。犬がオレアンダーを食べた場合は緊急の医療措置が必要。 |
スイセン | スイセンの球根部分に含まれる化合物は、犬が摂取すると嘔吐、下痢、胃腸炎、そして重度の場合心不全を引き起こす可能性がある。このため、スイセンは犬の届かない場所に保管すべき。 |
スズラン | スズランの全草には強力な毒性があり、犬が摂取すると嘔吐、下痢、腹痛、そして心不全を引き起こす可能性がある。切り花を挿した水も同様の毒性を持つため、注意が必要。 |
クリスマスローズ | クリスマスローズの全草、特に根には、犬が摂取すると口腔の灼熱感、腹痛、胃炎、嘔吐、下痢、心臓麻痺を引き起こす毒素が含まれている。特に根の部分の毒性が高い。 |
ツツジ科全般(セイヨウツツジ、アセビ、アザレア、シャクナゲ等) | ツツジ科の植物は、葉、根皮、蜜に有害物質が含まれており、犬が摂取すると口腔の灼熱感、よだれ、嘔吐、下痢、徐脈、中枢神経の抑制、不整脈、血圧低下などの症状を引き起こす可能性がある。 |
オシロイバナ | オシロイバナの根、茎、種子に含まれる化合物は、犬にとって毒性があり、摂取すると皮膚や粘膜への刺激作用、嘔吐、下痢、腹痛を引き起こす。特に種子の毒性が強い |
ポインセチア | ポインセチアの茎からの樹液や葉に含まれる刺激物質は、犬が摂取すると嘔吐、下痢、皮膚炎、口腔の灼熱感を引き起こす可能性がある。一般的には致命的ではないが、皮膚や粘膜に刺激を与える。 |
ディフェンバキア | ディフェンバキアの茎に含まれるカルシウムオキシレート結晶は、皮膚のかぶれ、結膜炎、口腔内の腫れや激痛を引き起こす。これらの結晶は、犬の口の粘膜に触れると刺激を与え、摂取すると消化管の問題を起こす可能性がある。 |
アイビー | アイビーの葉や果実に含まれるサポニンは、犬が摂取すると嘔吐、下痢、口の渇き、よだれ、皮膚への刺激を引き起こす可能性がある。特に果実の毒性が高いため注意が必要。 |
モンステラ | モンステラの葉に含まれるカルシウムオキシレート結晶は、皮膚のかぶれ、口腔の灼熱感、よだれを引き起こす可能性がある。犬が葉をかじると、口腔内の刺激や腫れを引き起こすことがある。 |
花によって、危険性の度合いや対処方法も異なります。
ここではあくまで一例として可能性があるものを挙げていますので、これ以外にも危険な花があったり、もしくは、犬によってはほとんど危険な症状が表れない場合もあります。
ペットがいても置ける観葉植物
観葉植物は部屋へ彩りを与え、その空間の心地よさを上げる役割があります。
人によってはこの効果を大きなものと捉え、こだわりをもって選択する人も多いことでしょう。しかし、ペットがいる場合にはその安全性にも注意が必要です。
ペットが植物に触れたり、誤って摂取したりしても安全であることを確認することが肝心です。また、個々のペットの健康状態やアレルギーの有無を考慮することが重要です。ペットと共に快適な室内環境を作り出すために、観葉植物の選択は重要な役割を果たします。
犬に害のない植物とは
犬は何でも食べようとする習性があります。
したがって、身近にある植物の葉や花を、犬が意図せず食べてしまうことがあるかもしれません。そうならないためにも、住環境である室内に置く植物は、犬に害のないものにすることが推奨されます。
犬に害のない植物とは、口にしても、中毒症状やアレルギー反応、消化器官の問題などを引き起こさない植物です。犬に害のない植物は、通常、刺激性の低い成分を含み、犬の消化システムに負担をかけないものです。また、これらの植物には、犬にとって毒性を持つ特定の化学物質や、刺激性の高い精油成分が含まれていないのが一般的です。
さらに、犬に害のない植物を選ぶ際には、植物自体の毒性だけでなく、育成に使用される肥料や殺虫剤などがペットに影響を与えないかどうかも考慮することが重要です。
犬がいても安全な観葉植物
ここでは犬にとって安全な観葉植物の一例を、その植物の特徴と共に挙げます。
観葉植物 | 特徴 |
---|---|
アレカヤシ | 空気を浄化し、管理が容易で、犬にとって無害 |
スパイダープランツ | 成長が早く、空気浄化の効果が高く、犬に無害 |
ボストンファーン | 空気を清浄化し、湿度を調節する効果があり、犬に安全 |
ハワイアン・スパイダー・プランツ | 丈夫で成長が早く、犬に害を与えない |
アフリカンバイオレット | 色鮮やかな花を咲かせ、犬に無害な美しい植物 |
パーラーパーム | 低光量でも生育しやすく、犬にとって安全な植物 |
ピレア | おしゃれで管理が簡単、犬にとって有害ではない |
ペパロミア | 小型で管理が容易、犬に無害な多種多様な品種がある |
カランコエ | 花が美しく、犬に対する毒性がない |
これらの植物は、犬がいる家庭でも安心して室内に置くことができます。しかし、犬が植物を噛むことを防ぐために、植物を犬の手の届かない場所に置くことをお勧めします。
犬に無害なハーブ
ハーブは、通常、犬にとって無害であり、犬がいる家庭で安全に育てることができます。
ハーブ | 特徴 |
---|---|
バジル | 消化を助ける効果があり、犬に安全 |
ローズマリー | 自然な抗酸化物質が含まれており、犬に無害 |
タイム | 抗菌作用があり、犬に安全で健康的 |
パセリ | ビタミン豊富で、口臭の改善にも役立ち、犬に無害 |
セージ | 消化を助け、犬にとって安全 |
ディル | 消化促進に役立ち、犬に無害 |
コリアンダー(シラントロ) | 消化を助け、犬に安全 |
ミント | 口臭の改善に役立つが、大量に摂取すると消化不良を引き起こす可能性がある |
これらのハーブは、犬にとって安全なものですが、いずれも過剰摂取は避けるべきです。また、ペットがハーブを食べた場合にアレルギー反応や消化不良を示すことがあるため、新しいハーブを導入する際には注意が必要です。
まとめ:犬にとって危険な植物を理解し、安全と健康を守ろう
犬は好奇心旺盛で、何でも口にする傾向があるため、特に有毒な植物は厳重に避ける必要があります。例えば、ユリ、アジサイ、オレアンダーなどは、犬にとって極めて有害であり、腎不全や心臓疾患、さらには死に至る危険もあります。
一方で、犬にとって無害な植物も多く存在します。アレカヤシやスパイダープランツ、バジルなどは、犬に安全であり、空気浄化の効果も期待できます。これらの植物は室内環境を改善するだけでなく、ペットの健康を守る上でも良い選択です。
しかし、犬の健康状態やアレルギーの有無によっては、一部の植物が問題を引き起こすこともあります。新しい植物を導入する際には、獣医師に相談するか、事前に十分な情報を得ることが重要です。
総じて、ペットのいる家庭では、どの植物を選ぶか、どこに置くかを慎重に考えることが必要です。犬が安全に過ごせるように、適切な植物の選択と管理に注意を払いましょう。これにより、ペットと共に快適で健康的な生活環境を守ることができます。
犬に与えて良いもの、悪いものに関しては、こちらの記事でも解説しているので、ご参考に!
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